厚労省/国交省 広域型施設に支援

近年、日本全国で自然災害の激甚化が著しく、要援護者が多い社会福祉施設においてはハードウエアの改修や場所移転を含む大型の対策が求められている。国土交通省と厚生労働省は今年度から各種の制度変更を行っていたが、「令和2年7月豪雨」の被害などを受けて新たな支援を検討していることが分かった。

 

 

「令和2年7月豪雨」による熊本県球磨村の特別養護老人ホーム千寿園の被害など、介護施設での被害が続出していることから、国は介護施設などの水害対策の強化を図る。具体的には、「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金」について、新たに広域型を含む介護施設なども対象に含む支援メニューを拡充する。垂直避難用エレベーター、スロープ、避難スペースの確保などに要する改修工事が対象になる見込み。現行の支援スキームが拡充される(図1)。

 

図1 地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金の仕組み

 

 

国土交通省は6月、都市計画法及び都市再生特別措置法の改正を6月に公布。特に危険な「災害レッドゾーン」(災害危険区域、土砂災害特別警戒区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域)においては、都市計画全域で、病院や社会福祉施設、店舗、旅館・ホテル、工場などの新規開発を原則禁止。立地適正化計画においても、居住誘導区域からは災害レッドゾーンを原則除外する。また「浸水ハザードエリア」などでも、安全上及び避難上の対策を許可の条件とするなど開発許可を厳格化することになった。

 

 

すでに災害レッドゾーン内にある既存の住宅や施設などに対しては、特に、病院や福祉施設などの自主的移転を加速するために、市町村や民間事業者などが行う施設整備を支援する「都市構造再編集中支援事業」に関し、2020年度から補助を拡充している。

 

図2 都市構造再編集中支援事業のかさ上げ

 

 

 

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