3月期決算の介護関連上場企業における、2020年度中間決算が出揃いつつある。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、増収増益となった事業者も多い。決算情報から、各社の取り組みや新規開設、新規事業などの現状を紹介する。

 

 

 

ベネッセ 中国進出へ

ベネッセホールディングス(岡山市)の介護・保育事業における2021年3月期第2四半期の連結業績は増収減益となった。売上高は前年同期比0.1%増の608億9800万円、営業利益は同27.4%減の41億5000万円。
増収の要因は、高齢者向けホーム・住宅数をこの1年で8施設拡大したことによる入居者増加など。なお、9月末時点の総ホーム数は334施設。営業利益は、処遇改善やホーム拡大に伴う要員増による労務費の増加などにより減益となっている。

ベネッセスタイルケア 滝山真也社長

 

 

 

 

 

21年度から25年度の新中期経営計画では、コロナ禍で影響を受けた業績を速やかに回復するとともに、コア事業の進化、新たな成長に向けた新領域への挑戦、の2点を掲げる。介護事業においては、感染予防を最優先としながら、7月より再開した新規の営業活動を強化、入居率を2年かけて回復させる方針。また、年10ヵ所ペースの新規開設を、年12ヵ所に拡大。新エリアへの進出、ハイエンドホーム強化に加え、ベネッセ版センシングホーム開発も行う。さらに、中国介護市場への進出を目指す。すでに介護人材育成は開始しており、介護施設運営、介護事業支援などを手掛ける考えだ。

 

 

 

 

ツクイホールディングス(横浜市)は増収増益。売上高は前年同期比3.2%増の464億3900万円、営業利益は16.1%増の21億300万円。主力のデイサービス事業においては、新型コロナ第2波の影響により利用控えや新規顧客数の減少が見られたものの、1人あたりの月間利用回数および顧客単価が伸長。2区分上位の時間区分での介護報酬(特例措置)を6月より段階的に算定開始したことや、4月にアサヒサンクリーンより譲り受けた訪問介護事業、そして新設した訪問介護6ヵ所を中心に利用者数が伸長したことも寄与した。

ツクイホールディングス 津久井宏社長

 

 

 

 

 

21年3月期第2四半期の新規出店は、デイ4ヵ所、グループホーム2ヵ所、訪問介護10ヵ所(譲受含む)、訪問看護2ヵ所、サ高住1ヵ所。9月現在、デイは計525ヵ所となっている。

 

 

 

 

セントケア・ホールディング(東京都中央区)も増収増益。売上高は前年同期比7.0%増の227億3200万円、営業利益は同82・4%増の14億3600万円。主にデイで利用控えなどの影響があったものの、訪問系サービス、特に訪問入浴の利用者数やサービス利用回数が大きく伸長したこと、前期において積極的に進めた新規出店の業績が堅調に成長したことなどが増収の要因となった。利益面では、ITを活用したWEB会議やリモートワークなどによる業務効率化推進や、仕入れ、外注派遣費などの見直しで各種経費が抑制された。
今期の新設は、看多機5ヵ所、小多機2ヵ所、訪問介護2ヵ所、訪問看護2ヵ所、グループホーム1ヵ所の計12ヵ所。

セントケア・ホールディング 藤間和敏社長

 

 

 

 

 

 

 

 

ソラスト M&A最多に

ソラスト(東京都港区)の介護・保育事業も増収増益だ。売上高は前年同期比12.4%増の202億7500万円、営業利益は同3.1%増の10億2500万円。売上増の主な要因は、20年3月に買収した恵の会の新規連結効果など。利益面では、デイや訪問介護のサービス利用控えや慰労金の支給などがあった影響で落ち込んだ第1四半期からは、おおむね従来トレンドに回復した。

ソラスト 藤河芳一社長

 

 

 

 

 

同社が20年度の重点施策で1番に掲げる介護M&Aについては、20年度のM&A目標42億円を8月時点で達成し、以降も積極的に実行。日本エルダリーケアサービスおよびファイブシーズヘルスケアを10月に子会社化しており、件数・売上規模ともに過去最高水準となっている。
また、10月にスマートホスピタル事業準備室を新設。中規模病院やクリニックが抱える経営課題に対し、ヒト+サービス+ICTを組み合わせたソリューション提供を行う。21年度の一部サービス開始を目指す。

 

 

 

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