社会保障審議会介護給付費分科会は11月13日、「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和2年度調査)の結果(速報値)」における「サービスの質の評価に関する調査研究事業」の結果(速報値案)を公表。客体数の少なさが最大の課題となり、委員からは「代表性がある活用としては適さない」といった声が挙がった。

 

 

客体数少なさ課題「代表性ない」と声

同事業においては、今年度5月より運用を開始したCHASEへの登録をもとに調査を実施。介護施設・事業所250ヵ所3230人のデータ分析、およびCHASEにフィードバック可能な利用者データの登録があった介護施設・事業所のうち90ヵ所のアンケート回答を収集した。

 

 

調査結果として、CHASE登録データの状況を

(1)概要

(2)ADL

(3)認知機能

(4)口腔機能

(5)栄養状態

(6)日中の活動等

(7)服薬

に分けて公表。

 

 

(1)概要を対象事業者のサービス種別に見ると、45.2%を占めるのが介護老人保健施設、次いで介護老人福祉施設(26.4%)、通所系サービス(20.4%)、その他サービス(8.0%)の順で多く、対象利用者の要介護度別では、最多は要介護4(27.9%)、次いで要介護5(21.7%)、養介護3(21.0%)と比較的重度の利用者のデータが集まった。

 

 

(2)ADLに関するデータについて、サービス別、要介護度別、BMI別のバーセルインデックス(BI)合計点の分布は左図の通り。要介護3以上でBI合計点が20以下の割合が大きく、BMIが低い利用者の方がBI合計点が低い傾向にあった。なお、100点満点で採点するBIにおいては点数が高いほど自立度が高く、85点以上で自立とされている。調査結果では、特に特養において20点以下の利用者が多かった。

 

 

(3)認知機能に関しては、DBD13(点数が高いほど周辺症状の頻度が高いことを示す)の合計点のサービス別・要介護度別分布を提示。要介護4、5では10点以下の割合が過半であるのに対し、要介護度1~3では11点~19点、20点以上の割合が高くなった。

 

 

(4)口腔機能については、要介護度別の食事形態の分布では、最も常食に近い「嚥下調整食4」の割合が要介護3、4では50%以上を占める一方、要介護5ではわずか16.2%となり、ゼリーやとろみ水状の「嚥下訓練食」の占める割合が20.6%となっている。

 

 

(6)日中の活動等について、老健、特養においては「1週間における趣味・役割活動を行う頻度(回数)」が0との利用者が38.8%を占めた。この項目について委員からは、「要介護度別に示す必要がある」との意見や、わずか85名という母数の少なさに対する指摘も述べられた。

 

 

(7)では、老健における服薬状況を提示。6剤以上服薬している利用者の割合が37.8%であったが、6ヵ月間での同一利用者の服用薬剤数の変化では、6剤以上の割合が半分以下に減少していることも示された。

 

 

フィードバック票を用いたアンケート調査の結果では、過去2年以内に利用者に関するデータ分析を「実施していない」と回答した施設は73%に上ることが分かった。CHASEへの登録を行うなどデータ活用に積極的と思われる施設でも、データを活用できていない実態が明らかになり、委員からは「フィードバックの方法に工夫が必要」といった声が挙がった。一方、「実施したことがある」施設・事業所(23%)における分析項目については、「利用者のADL・IADL」が最も多く、次いで「利用者の栄養状態」 および「利用者の認知機能」であった。

 

 

 

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