デイサービスを運営するベストリハ(東京都台東区)は11月21日、認知症の高齢者がスタッフとして活躍する「注文をまちがえる料理店『てへぺろ』」を東京都足立区で開催した。新入社員やインターンなど若手人材が準備から当日の運営までをサポートした。

初めて”ホールスタッフ”を経験したという男性利用者
ベストリハ
同社では2018年8月に足立区北千住で「てへぺろレストラン」を初開催。その後は毎月2回のペースで開催し、デイ利用者の活躍の場を創出してきた。近年、新卒採用を積極的に行っている同社では、てへぺろレストランが若手人材の活躍の場にもなっているという。
今年夏には初の試みで若手人材によるてへぺろプロジェクトが始動。19年度入社の9名のほか、21年度入社の内定者48名のうち12名、一般公募によるインターン計29名がプロジェクトに参画した。
「インターンを募集したところ、定員8名がすぐに集まり、キャンセル待ちがでるほどでした」(広報担当 小林美希氏)
参加メンバーは11月・12月・21年1月開催の3チームに分かれて、8月から準備を重ねてきた。月2回オンラインで打ち合わせを実施し、各チーム予算3万円でメニューや装飾などの企画から運営までを行った。
11月21日は11時半から14時までてへぺろレストランを開催。同社が運営する墨田区デイの男性利用者2名が「ホールスタッフ」を務め、プロジェクトメンバーは調理や運営を支援。
男性利用者は「経験したことないから難しいね。でも若い子たちがいるから元気がでるね」と終始笑顔を絶やさず、メンバーとの会話も弾んだ。
当日は足立区・板橋区デイの利用者計7名が外出レクとしててへぺろに訪れ、昼食をとったほか、地域住民も来店した。
インターンで参加した大学生は、「今までは『介護』とは、何かをしてあげることだと思っていた。このプロジェクトを通じて、その人の楽しみややりがいを支えることなんだとわかった」と振り返った。