11月19日及び20日、第22回日本神経消化器病学会(会長:横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 中島淳主任教授)が開催された。同学会では、在宅医療を受ける高齢者の半数以上が抱えている慢性便秘症についてディスカッションが行われ、超音波検査(以下・エコー)によるアセスメントの重要性が訴えられた。

 

中嶋淳教授(左)と真田弘美教授(右)

 

 

アセスメントの精度向上に

日本神経消化器病学会は研究成果の発表を通じ、消化器系疾患の基礎研究及び臨床の発展を目指すもの。その一環として「超音波検査による慢性便秘症アセスメント」と題し行われたコンセンサスミーティングでは、在宅で治療を受ける高齢者に多い慢性便秘症への対処法について、アセスメント時にエコーを活用することが提案され、コンセンサスが得られた。

 

 

 

冒頭、東京大学大学院医学系研究科老年看護学の真田弘美教授は、「在宅医療を受ける高齢者などで、自ら便秘の症状を訴えられる人は少ない」と言及。そのため適切なアセスメントが実施されず下剤の過剰投与などが発生しているとし、客観的な評価ができるエコーの活用が必要であると指摘した。

 

 

横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学の三澤昇教授は、「便秘の評価にはCTが利用されるが、放射線被爆やコストの問題から設置が難しい施設もあり、在宅患者の適切な評価ができないことがあった」と従来の課題を述べた。その上で、「エコーでも直腸内の便塊が概ね確認できる」とした。合わせて、一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会の田中秀子理事長が、在宅医療現場でのエコーによる観察の可否に言及。看護師は通常携帯型のエコー機器により膀胱内の残尿観察を行っていることから、「その要領で、看護師による直腸の便塊の観察も可能」とする見解を述べた。

 

 

最後に、東京医科大学病院画像診断部の河本敦夫氏は、現場で使用する携帯型エコー機器には、画質の精度と動画撮影機能が必要であると指摘。さらに、得られたデータの有効活用のため、ボディマークやアノテーションなど、第三者に向けたオリエンテーションが重要だとした。

 

 

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