医療法人元気会(埼玉県所沢市)が運営するわかさクリニックは、内科、整形外科、神経内科など多くの専門科目があり、365日無休の外来診療と在宅医療を展開している。4日、同市に「わかさ在宅クリニック所沢」を開設した。開設したクリニック、看取りなどについて、間嶋崇理事長に話を聞いた。

 

医療法人元気会 間嶋崇理事長

 

 

―― 所沢市内にクリニックを開設した。

間嶋 昨年、わかさクリニックが担当した在宅医療の総患者数は1273名。移動時間を短縮して業務を効率化することを目的に、わかさ在宅クリニック所沢を開設した。患者のうち約300名をわかさ在宅クリニック所沢が引き継ぐことになる。わかさクリニックが、所沢市の西エリア、入間市、飯能市、青梅市、羽村市などの患者を担当し、わかさ在宅クリニック所沢が、所沢市の東エリア、朝霞市、新座市、東村山市、清瀬市などを担当する。

 

 

 

―― わかさ在宅クリニック所沢について。

間嶋 医師は院長の私に加えて、常勤医師1名、曜日ごとに非常勤医師1名が担当している。電子カルテで、わかさクリニックと患者情報を共有しているため、臨時往診をカバーし合うことができる。
また、わかさクリニックで行われている朝礼にリモートで参加しているので、難しい症例や患者の容態の変化などの情報を共有している。朝礼には、事務職やドライバーも参加して患者の状態を把握することで、スムーズに対応することができる。

 

――看取り件数が増加している。

間嶋 昨年の看取り件数は280件でそのうちの8割以上が自宅で看取りを行った患者だ。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により看取りのニーズが高まっており、19年と比較すると年89件増加している。
家族が安心して看取りをできるためには、スタッフが家族と対話をして信頼関係を築くことが大切だ。当法人の理念は「信頼」「やさしさ」「思いやり」。患者への親切を徹底することで、看取りをすることができる環境を構築している。

 

 

――高齢者施設の対応について。

間嶋 介護事業者から施設内で看取りをしたいというニーズが増えている。看取りは外部の多職種と協力しながら行う必要がある。施設のスタッフや看護師に対して、看取りを迎えるための教育を展開していきたいと考えている。

 

 

 

――地域住民に弁当を配達している。

間嶋 当法人では地域の集いの場「オレンジタウン」を運営しており、麻雀大会やカラオケイベントなどを開催していたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりイベントを休止している。オレンジタウンでは昨年5月より、利用者の自宅に日替わり弁当「もり弁」を届けるサービスを近隣住民に向けて提供している。もり弁は1食500円で、昼食と夕食の2回、スタッフが届けている。顔なじみのスタッフが利用者とコミュニケーションを取りながら、見守りの役割をすることを目的としている。現在、最大で1日20件程度の注文がある。

 

 

 

――今後については。

間嶋 食事ができなくなり、点滴をするようになるとデイサービスに通うことができなくなり、患者のADLが低下してしまうケースがある。在宅医療の患者が食事をすることで、入院を避けられると考えている。在宅患者をサポートするために、摂食嚥下のサポートをするための「栄養サポートチーム」を組織する予定だ。

 

 

 

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