シニア向けeスポーツの未来予想図
コンピュータゲームは10代20代を中心にeスポーツとして浸透し、世界大会で表彰台に上がる日本人もおり、プロゲーマーも増えて、リモートによる競技大会はコロナ禍でも活況です。インベーダーゲーム世代の高齢者が孫世代に混ざっての参加も少なくありません。
フィットネスクラブを全国展開しているジェクサーは、JR東日本エキナカ初の常設eスポーツ施設「ジェクサー・eスポーツステーション」を今年1月に松戸駅に開業しました。40歳以上の会員が半数を超えるジェクサー・フィットネスは健康志向と利用頻度が高い60歳以上の会員も多く、eスポーツ参戦世代の拡大もそう時間を要さないと思われます。
神戸市に昨年誕生した60歳以上専用のeスポーツ施設「ISR」は人材紹介を手掛けるISRグループが開業し(2時間制で1000円)、初心者向けから本格的eスポーツタイトルを揃えて、定年退職後の孤立を防ぐための交流スペースも設けています。
将来的には上級者を高齢者施設のアクティビティ講師としての派遣など、雇用創出によるシニア活躍への貢献を掲げています。会員にはシューティングゲームや大勢で対戦できるバトルロイヤルが人気のようです。名古屋パルコ内のeスポーツスタジアムは、コミュファ光10Gサービスを利用した高品質な通信環境で、トーナメント大会をLIVE観戦する100席を設けて、シニア向けにはeスポーツによるコミュニケーションイベントを開催しています。
スウェーデンには平均年齢71歳の男女のeスポーツプロチーム「シルバースナイパーズ」が活動し、対戦する孫世代を驚かせています。日本でのシニアeスポーツは始まったばかりですが、コロナ禍もあり、在宅や高齢者住宅におけるフレイル予防や脳トレーニングとして、加速度的な普及が予想されます。eスポーツ設備が入居動機となる日も遠くないでしょう。
妻鹿由美子氏
2000年から高齢者住宅の研究、評価及び運営指導・コンサルティング業務、グローバル・ホープ・ケア株式会社アドバイザー(株式会社オフィスmega代表取締役)介護福祉経営士。