改定の柱の1つ「自立支援・重度化防止の取組の推進」は、制度の目的に沿い、質の評価やデータ活用を行いつつ、科学的に効果が裏付けられた質の高いサービスの提供を推進するもの。その取り組みである「寝たきり防止等、重度化防止の取組の推進」において新設された「施設での日中生活支援への評価」に注目した。

 

 

 

利用者の尊厳の保持、自立支援・重度化防止の推進、廃用や寝たきりの防止等の観点から、施設利用者の日々の過ごし方に対するアセスメントや、生活全般における計画に基づくケアなどについて評価する「自立支援促進加算」が新設される。
対象となるのは、特養、地域密着型特養、老健、介護医療院。

 

 

算定単位は1人当たり300単位/月と、非常に高い設定となった。これについて介護給付費分科会委員の江澤和彦氏(公益社団法人日本医師会常務理事)は、「ベッドから離れた日中の生きがい支援として、生活全般における計画に基づくケアの実施への評価であり、尊厳の保障や寝たきりゼロに資するものと評価する」と、コメントしている。

取り組みの流れは、図1に示す通り。

 

 

 

 

 

寝たきり予防・重度化防止のためのマネジメントの推進の一連のプロセスが評価対象となる。
新設加算の算定要件は、まず入所時とその後の医師による定期的な医学的評価を行うこと。初回以降の評価は、医師が少なくとも6ヵ月に1回、見直し、自立支援に係る支援計画等の策定等に参加することが要件となる。
さらに、この医学的評価によって自立支援のための対応が必要とされた場合、医師、看護師、介護職員、介護支援専門員、その他の職種が共同で自立支援に係る支援計画を策定し、それに従ったケアを実施することが必要となる。また、この支援計画については、少なくとも3ヵ月に1回は見直しを行うことが求められている。

 

 

 

CHASEの活用カギに
さらにもう1つ、算定に不可欠な要件がCHASE(4月以降LIFE)へのデータ提出とフィードバックの活用だ。
21年度改定においては、事業所のすべての利用者に係るデータ(ADL、栄養、口腔・嚥下、認知症など)をCHASEに提出してフィードバックを受け、事業所単位でのPDCAサイクル・ケアの質の向上の取り組みを推進することを新たに評価(図2)。

 

 

 

それに加えて、各種加算においても利用者ごとの計画に基づくケアのPDCAサイクルの取り組みに加えて、CHASEなどを活用した取り組みを新たに評価するとされている。

 

 

なお、この加算の要件となっているCHASEへの情報提出の対象は、「医学的評価の結果等の情報」とされており、詳細については解釈通知などが待たれるところ。医学的評価や計画などに用いる書類の様式については、国が新年度までに提示する予定となっている。

 

 

 

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