現場スタッフの就労・生活支援
人材・保育・介護などを手がけるライクグループ(東京都渋谷区)では、現在26ヵ国・130人の外国人が働いているという。介護分野における外国人の採用・活用事例を中心に、介護事業を展開するライクケア(同)の我堂佳世社長にインタビューした。

ライクケア 我堂佳世社長
――外国人を積極的に採用しているそうですが。
我堂 20人を幹部候補生として当社で直接雇用しています。国籍はインドネシア、ベトナム、ミャンマー、ネパールです。
――幹部候補生の職務は。
我堂 介護現場で働く外国人スタッフが日本での生活・就労をスムーズに行えるようサポートすることです。
様々な相談にのったり、教育研修の講師をしたり、外国人寮の寮長をしたりします。
――なぜ、そうした人材を自社で雇用しているのですか。
我堂 来日・就労する外国人が日本の生活に馴染めるように、様々なサポートを行っている会社はあります。そうした会社を利用したこともありますが、介護に関しては知識がないので、介護現場で働く外国人の悩みなどに十分に応じきれないと実感しました。
外国人支援部門を本社で内製化することで、介護現場のスタッフは、介護の知識や技術のみの教育・指導に集中できますので負担が少なくなり、当の外国人も早期に成長できます。実際に就労開始1年程度でリーダーを任せられる程度になる人もいます。
――現場の外国人スタッフに対する印象は。
我堂 以前、外国人スタッフがいたホームは、当初は外国人の就労を嫌がっていました。その後、その外国人は結婚のために当社の他のホームに転勤したのですが、元いたホームでは「次のスタッフは日本人ではなく、外国人がいい」と希望してきました。しっかりとした教育研修を行えば、日本人以上に戦力になると考えています。
――介護事業の今後の展開について聞かせて下さい。
我堂 現在、神奈川県を中心に「サンライズ・ヴィラ」と、それよりやや高価格帯の「フェリエ・ドゥ」の2つのブランドで20棟以上の高齢者住宅を運営しています。今年3月1日、横浜市に「サンライズ・ヴィラ横浜東寺尾」を開設します。72室の介護付有料老人ホームで月額費用は21万円です。2021年度は、新規開設はありませんが、22年度は2棟計画しています。その後も年間2棟程度をドミナント方式で開設していきたいと考えています。
現在約6割の物件で24時間看護師常駐体制を実現しています。今後も医療提供体制で周辺物件との差別化を図っていきます。

「サンライズ・ヴィラ横浜東寺尾」