4月に株式譲渡 グッドタイムリビングが買収

 

大和証券傘下のグッドタイムリビング(東京都中央区)は、介護付有料老人ホームなどを運営する舞浜倶楽部(千葉県浦安市)を買収する。2月25日、株式譲渡契約を持ち株会社のエムシーホールディングス(同)と締結。株式の譲渡完了は4月1日を予定している。介護業界では金融会社を核とした業界再編が進む。

 

 

 

今回の株式譲受の端緒は、グッドタイムリビング、舞浜倶楽部双方が運営する浦安市内の施設交流にあった。開業時期も前後する両施設では、スタッフ同士の交流も多く、浦安市内での介護福祉サービスの地域連携を深めてきた。浦安市では介護事業者が協議会を結成。その会長を務めるのが、舞浜倶楽部のグスタフ・ストランデル氏だ。

舞浜倶楽部 グスタフ・ストランデル社長

 

 

こうした浦安地域での交流を通じ、舞浜倶楽部の株主であり、浦安市に経営基盤を置くダイニチグループがグッドタイムリビング側に有老の運営体制強化について打診した。

 

 

 

背景には、高齢者の住宅の供給が増加する一方で、働き手が一層減少する将来において、入居者と家族にとってより良い介護と生活のサービスを提供し続けるためには、新たなシステムや設備への投資の必要性があった。

 

 

 

グッドタイムリビングでは、13年から進めてきたICT機器の導入や多職種の人材採用による業務効率化などによって培ってきた介護職の専門性を、舞浜倶楽部の安定経営に活かすことができると判断。同社株式を取得することが決定した。

 

 

 

グッドタイムリビングの森川悦明社長は、「株式取得後も舞浜倶楽部がこれまで進めてきた運営方針を引継いでいく。人材と知見において、両社がそれぞれ有する強みを連携させ、入居者とその家族の安心を最優先において、サービスの向上を目指していく」と話す。

グッドタイムリビング 森川悦明社長

 

 

グッドタイムリビングは、旧オリックス・リビングが20199月、大和証券グループ本社のグループに入り、現在の社名に変更した。住宅型有料老人ホームを中心に31拠点・2726室を運営。

 

舞浜倶楽部は、地場デベロッパーのダイニチグループでエムシーホールディングスの関連会社。社長を務めるグスタフ・ストランデル氏は、認知症ケアなどスウェーデンの介護を取り入れた運営手法で業界では知られた存在だ。

 

 

少子高齢化の進展で今後より一層スタッフ確保の難易度が上がる中、各社は効率化のための設備投資に迫られている。さらに社会保障費の増大により介護報酬引き下げの流れは続く見込みであり、介護保険に頼らない経営にシフトする必要性があるなど難しい舵取りを迫られている。

 

 

 

 

 

 

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