「家族の希望踏まえた選択を」

 

今回のテーマは「居宅療養管理指導」です。

 

 

 

Q1. 居宅療養管理指導について医師の活用については分かりますが、他の職種の活用手順などについて教えて下さい。

 

A. 居宅療養管理指導とは、要支援や要介護と認定され、通院が困難な方を対象としたサービスです。

利用者の自宅に医師や看護師、薬剤師、歯科衛生士、管理栄養士などの専門職が訪問し、療養上の指導や健康管理、アドバイス等を行い、自宅でも安心して過ごすことを目的としています。

 

 

居宅療養管理指導の特徴

 

医師や看護師などの専門職が自宅に訪問するサービスですが、その専門職から利用者の担当ケアマネジャーに対して、ケアプラン作成に必要な情報提供なども行います。

サービス対象者は要介護1以上の高齢者です。4064歳の方は、特定疾病により要介護1以上の認定を受けた方が対象となります。

 

要支援12の方は「介護予防居宅療養管理指導」というほぼ同様のサービスを受けることができます。1人暮らしや老々介護などで管理が行き届かない場合や、在宅介護で家族では手が回らないケースなどで利用できます。

 

 

 

 

訪問看護や訪問診療・往診との違い

 

医療の専門職が利用者の自宅を訪問するサービスとして、訪問看護や訪問診療、往診があります。

居宅療養管理指導との違いは次の通りです。

 

 

 

居宅療養管理指導

 

医師・歯科医師、看護師、薬剤師、歯科衛生士などの専門職が、利用者宅に訪問して利用者およびその家族に対して自宅で生活する上での注意点などを指導する。医師・歯科医師以外の職種によるものは医師・歯科医師による指示が必要。

必要に応じて看護師などから医療行為を受けることはあるが、医師による医療行為は行われない。※介護保険適応

 

 

 

 

訪問看護

 

ケアプランに基づいて看護師や理学療法士などのリハビリ専門職が利用者宅に訪問し、医療ケアやリハビリを行う。※介護保険適応

 

 

 

 

訪問診療

 

自宅や施設で療養しており、通院することが困難な人に対して、計画的に医師が自宅や施設に訪問して診療する。必要に応じて医師による医療行為が行われる。※介護保険適応

 

 

 

 

往診

 

患家の求めに応じて医師が自宅に赴いて診察する。必要に応じて医師による医療行為が行われる。状態悪化時の臨時の手段で継続的に行うものではない。※介護保険適応

 

 

 

 

居宅療養管理指導の費用

 

居宅療養管理指導の費用は、介護保険サービスと同様に介護報酬単価の1割~3割負担となっています。訪問1回につき訪問指導する職種によって違いがあります。

 

居宅療養管理指導は介護保険対応ですが、介護保険の支給限度額の対象にはなりません。そのため、他のサービスで介護保険の支給限度額を満額利用していても、訪問限度回数を超えなければ1割~3割の負担で利用することができます。

 

さらに、医師や薬剤師など違う職種による居宅療養管理指導は、それぞれが決められた回数内であれば介護保険が適用となり、組み合わせて利用することも可能です。

利用料金以外の費用として、診察や検査、投薬などは別途医療費がかかります。

 

 

 

 

居宅療養管理指導は、医療の専門家が自宅に来て健康管理や指導をしてくれるという改善・予防には必要なサービスです。

通院介助の必要もなく、医療的な側面での介護方法、嚥下などの状態に合わせた食事の調理方法などのアドバイスも受けられるので、家族介護をされるご家族や他職種連携での適切なサービス提供にとってもメリットがあります。

 

しかし、医師や歯科医師による医療的処置は行わないため、治療も受けたい場合は医療保険が適用される往診や訪問診療を選んだほうが良いこともありますので、ご利用者の病状やご家族の希望、他職種に情報提供を受けながら、現状をしっかり確認された上で、最適なサービスをご提案するようにしましょう。

 

 

伊藤亜記氏
㈱ねこの手 代表

介護コンサルタント。短大卒業後、出版会社へ入社。祖父母の介護と看取りの経験を機に98年、介護福祉士を取得。以後、老人保健施設で介護職を経験し、ケアハウスで介護相談員兼施設長代行、大手介護関連会社の支店長を経て、「ねこの手」を設立。

 

 

 

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