リスクを最小限に食い止める選択肢

いよいよ新型コロナワクチンの接種が医療従事者より開始されました。ワクチンの確保には課題も多く、全体へいきわたるまでにはまだ時間を要すこととなりますが、ようやく収束に向けた道筋も見えてまいりました。

 

 

 

そのような中、現在、厚生労働省による通達に基づき、都心部を中心とした各自治体が介護関係者に対する集中的なPCR検査の実施計画を発表しています。しかしながら、一斉検査に対しては誤った情報と認識によって、「陽性者が生じた場合、職員の自宅待機によって現場対応が困難になる」「事業所の休止などによって、経営的に大きな影響が生じた場合の休業補償制度がない」「一斉検査による偽陽性者が一定割合生じることによって影響と混乱が起きる」などの否定的な意見が一部見受けられます。

 

 

今回は改めて介護関係者に対する一斉PCR検査の必要性についてお伝えいたします。

 

介護関係者は本来気付きにくい無症状者などの陽性者を一刻も早く発見し、迅速な対応を行うことによってクラスター化を防ぎ、より多くの要介護高齢者の命を救うことが最優事項です。当然、職員の自宅待機や近隣の風評被害によって経営的影響が生じることも十分にあり得ますが、さらなる感染拡大、クラスター化となった場合の甚大な経営的影響を勘案すれば、一斉検査は逆にリスクを最小限に食い止めるといえます。

また、売上補填などの補償制度はありませんが、陽性者が生じたことに関わる追加経費については人件費も含めて全額補償されることになります。

 

 

また、PCR検査で一定割合の偽陽性が生じることは事実ですが、100人に1人の割合で誤った陽性者が発生するという見解が拡散されており、一斉検査の弊害が指摘されています。

現時点において、PCR検査における特異度の数字は明確には定められていませんが、例えば先般、広島県が行った広島市民への一斉PCR検査の結果では、3238人の検査対象者に対し、陽性者は4人であり、陽性率0.12%でした。

 

陽性者4人がすべて偽陽性であったとしても、東京都内の介護従事者全員(約15万人)にPCR検査を実施した場合、偽陽性者は最大で150人程度であると想定され、1日あたりの偽陽性者は極めて少なく、影響は軽微なものであると考えられます。とはいえ、少ない確率でも偽陽性が生じることも事実で、無計画な一斉検査は混乱を生むこととなります。

 

 

感染拡大地域に限定した、ハイリスク者に接する介護関係者への一斉PCR検査は、クラスター防止とともに、要介護高齢者の命を救うために必要な対策であり、関係者は協力をしていくことが重要です。

 

 

斉藤正行氏 プロフィール
2000年3月、立命館大学卒業後、株式会社ベンチャーリンク入社。メディカル・ケア・サービス㈱の全国展開開始とあわせて2003年5月に同社入社。現在の運営管理体制、営業スキームを構築し、ビジネスモデルを確立。2005年8月、取締役運営事業本部長に就任。2010年7月㈱日本介護福祉グループ副社長に就任。2018年4月㈱ピースフリーケアグループ代表に就任。2018年6月、介護業界における横断的・全国的組織となる一般社団法人全国介護事業者連盟を結成。㈱日本介護ベンチャーコンサルティンググループの代表を務めている。

 

 

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