新健康産業発掘コンテストで入賞

失語症や高次脳機能障害を持つ人を対象に、言語聴覚士がオンラインでリハビリテーションを行うというサービスを提供しているのが、くるみの森(大阪市)。昨年末に大阪府外郭団体などの主催で実施された、新たな健康産業を発掘するビジネスコンテストで入賞するなど、その将来性を期待されるサービスだ。現在の状況や今後の展開などを聞いた。

 

くるみの森 西村紀子代表

 

 

4名の専門家が1回30分間対応

 

このサービスは、西村紀子代表をはじめ4人の言語聴覚士がZoomとLINEのビデオ通話機能を用いて1コマ30分の個別レッスンを提供するもの。費用は1コマ2000円(税別)。

まずは無料カウンセリングを行い、次に西村代表が30分の無料レッスンを実施。その様子を見て担当の言語聴覚士を決め、個別プログラムを組んで継続的にレッスンを行う。多くの利用者は週1コマだが、中には2コマのケースもある。2019年10月にモニターに対して実施する形でスタート。20年3月にホームページを開設し、本格展開を開始した。これまでに52人が利用している。

 

 

 

利用者の多くは脳梗塞などにより失語症となった高齢者で、言葉が出なくなったことで外部との交流が減り、認知症などのリスクが高くなることを心配する子どもなどからの依頼だという。それに加えて同社が力を入れているのが、仕事上の問題を抱えた高次脳機能障害者の支援だ。

 

 

 

外見だけではわからぬ障害

「病気やケガで脳の一部の機能が損なわれたことによる高次脳機能障害は、外見ではわからず、周囲の人から理解されないケースが少なくありません」と西村代表。

 

完全に言葉が出なくなるという症状ならともかく「交渉事ができない」「短時間で自分の意見をまとめることができない」など一部の言語能力だけが損なわれることもある。こうした場合、職場で「職務遂行能力や周囲との協調性に欠ける」などと判断され、失業する可能性もある。また「発達障害だろう」などと診断され、誤った形で対応されることも少なく無い。

 

 

 

「病気やケガから復職してから何年も経った後に相談してくるケースもあります。自分の抱えている障害について自身も正しく理解しておらず、根本的な解決策を取れないままに過ごしていたのです。また適切なリハビリにより言語能力は回復しても、それまでの経緯で周囲との人間関係が壊れてしまっているケースもあります。
そのため、リハビリ自体は終了した後も人間関係に関するコンサルティングやコーチングの様な形で関与することが多いです」

 

 

 

 

就労に関するトラブル解決も

今後は、この「外見ではわからない障害」である高次脳機能障害に関する啓発を行い、企業が高次脳機能障害を抱える従業員などに対して適切な対応ができることを目指す。

 

オンラインリハについては、雇用主側が費用の一部を負担するメソッドを提供できないか検討している。

また、高齢者施設に対しては、利用者に対する集団形式でのオンラインリハの提供や、介護スタッフに口腔リハのメソッドを提供していく。これについてはDVDの販売や有料動画の配信も検討しており、後者については試験的にスタートしている。

 

 

 

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