インスタのフォロワー3.7万人
ひだまり介護(京都府船井郡)では、稲葉耕太社長が運営するデイサービスの情報をSNSで発信。施設の〝ファン作り〞につながっている。現在、インスタグラムのフォロワーは3.7万人。介護事業者が「なぜ発信」し、「どんな効果」を実感しているのか。稲葉社長に聞いた。

ひだまり介護 稲葉耕太社長
同社が運営するデイ「くろまめさん」(同)では、リハビリやレクリエーションのほか、アクティビティとして利用者が慣れ親しんできた農作業や羽釜での炊飯などを行う。「田舎暮らし」の日常を一緒に過ごすのだ。利用者が「自発的に」体を動かし、それが身体機能の改善につながっているという。
開設は2008年。古民家を改装した趣のある建物だ。定員は30名で、週7日営業。介護保険サービスのほか、保険外での「お泊りサービス」も行い、1日3名〜8名が利用する。「看取り」にも柔軟に対応。主治医の指示のもと、これまでに10名以上を看取ってきた。
施設がある京丹波町は過疎化が進み、高齢化率は39.9%。稲葉社長は施設を核に「地域コミュニティを活性する場づくり」にも取り組む。住民が気軽に集い、食事ができる屋外スペースや、民宿を併設。利用者と地域住民が協力して、地域の特産物である黒豆を栽培し、販売する取り組みを行っている。
稲葉社長は、施設や町の魅力を伝えるため、HPで発信をしてきた。当初はブログで始め、20年からはインスタグラムに移行。同年末にはフォロワー1万人を突破。その後は右肩上がりに増加している。

インスタグラムの「ストーリー」は反響が大きい
採用・利用増に効果
発信内容は、デイで過ごす利用者の日々の様子が中心。「利用者の様子がかわいらしい」と、反響を呼んでいる。魅力を感じたフォロワーから届くダイレクトメッセージは多い日には100件になるという。
稲葉社長は、「SNSは、ただ更新しても注目されない。オフラインで〝田舎暮らしで
の介護〞という明確なビジョンを持った活動をし、利用者の生き甲斐を生み出している。だからこそ、その様子を見たフォロワーからオンラインでも応援されている」と語る。