介護事業や障害者支援事業、コンサルティング事業を手がける日本デイテラス(さいたま市)は3月1日、共生型デイサービス「デイテラス所沢」(埼玉県所沢市)を開設した。所沢市及び隣接する入間市において、初の共生型デイ。3年間で約50ヵ所の開設を目指す。
日本デイテラス 3年間で50ヵ所展開目指す
共生型サービスは、2018年の介護保険法改正により創設された。同一の事業所で障害福祉と介護保険のサービスを一体的に提供するもので、デイサービスのほか、ホームヘルプサービス、ショートステイにおいて導入されている。
デイテラス所沢の定員は20名。利用対象となるのは、中程度の要介護者及び、知的・身体・精神障害者。利用定員の8名前後が障害者となる想定で、要介護高齢者と合わせて生活介護サービスを提供していく。
営業時間は月曜日から土曜日及び祝日の8~18時まで。サービス提供時間帯の9~17時の間、看護師を配置している。デイで提供する食事は、ご飯と味噌汁を施設内で調理。米はブランド物を使用し、月1回銘柄を変える。また、使用する味噌も月単位で変更するなどこだわることで、利用者を飽きさせないようにしている。飲み物も好みに合わせて、多くの品目をラインナップ。
丸長朗社長は共生型デイ開設の理由について、「今後、65歳以上の高齢者となる障害者の数も増加していく。共生型デイは65歳以上になっても通い慣れた施設を継続して利用可能というメリットがあり、ニーズが高まることを予想した」と話す。

丸長朗社長
一般的に、障害者が65歳以上となると、障害福祉サービスから介護保険サービスへと切り替わる。障害の専門知識を持たない介護職員もケアに当たることとなるため、切り替えに際してサービスの質の低下が懸念される。
一方、共生型デイの職員は、障害者福祉サービスに合わせて介護保険サービスも提供でき、利用者は切り替えに伴うサービスの質低下を避けられる。経営上では、職員が障害者と高齢者の双方にサービス提供可能なため、人材が限られるなかでも幅広い利用者を受入れることができる点がプラスになるという。
小栁壮輔取締役会長は共生型デイは全国でも数多くないことから、「通所介護サービスのなかでも、共生型デイは先進的な事業。この分野のモデルとなるように、運営に注力していきたい」と話した。

小栁壮輔取締役会長
3年間で約50ヵ所の開設を目標としている。関東圏でFC方式による店舗数の拡大も計画。合わせて、グループホーム、自立訓練、就労支援などを今後展開し、障害福祉サービスのフルラインナップ化も進める方針とした。

施設外観