ゲームで世代間交流 改札口前に開設
JR東日本グループでスポーツ施設の運営などを行うJR東日本スポーツ(東京都豊島区)は1月、松戸駅中央改札口前に同社初のeスポーツ施設「ジェクサー・eスポーツステーション」を開設した。総合企画開発部門EC企画戦略部の能村祐樹部長に開業のきっかけなどを聞いた。

EC企画戦略部 能村祐樹部長
――これまでの事業展開は。
能村 「からだとココロの健康づくりに貢献する」を企業理念とし、フィットネス事業やリラクゼーション事業、通所介護事業などを展開しています。通所介護事業では「ジェクサー・プラチナジム」という名称で現在7店舗運営しています。
――シニア層に向けた取り組みは。
能村 先述した通所介護事業のほかにJR東日本が展開している「大人の休日倶楽部」趣味の会のレッスン委託、各自治体と連携した高齢者向けの運動指導などをしています。
――なぜ今回eスポーツステーションを開設したのか。
能村 2年前に東京を拠点とするプロeスポーツチームが誕生し、スポンサーになったことがeスポーツ事業の始まりです。eスポーツは年齢・性別・障害などを超越し、ほぼすべての人が平等に参加できるフェアスポーツとも称されており、当社もスポーツの一部として考えています。本事業を通じて既存事業ではリーチできなかった層へ訴求する際に、拠点となる店舗事業は不可欠と考え、開設に至りました。店舗運営にあたり、eスポーツのイベントや企画運営などの実績があるテクノブラッド(同台東区)と業務提携して行っています。
――同ステーションの特徴は。
能村 誰でも入りやすく、初心者から上級者までが楽しめる施設をコンセプトにしており、内装に白や木目を取り入れて親しみやすい雰囲気にしています。また、設備面ではeスポーツを楽しめるパソコンエリアと、休憩や情報交換の場としてのイベント・コミュニティエリアがあります。eスポーツを楽しむほか、テレワーク拠点やワーキングスペースとしての利用も可能です。
――印象的な出来事は。
能村 高齢の利用者が孫を連れてきて、一緒に遊びたいからゲームについて教えてほしいと言われたことがありました。家族連れでの利用もあり、世代を超えるコミュニケーションツールとして役立っていると感じます。

パソコンエリアの内観
――郊外と都心部、どちらでサービス展開していく意向か。
能村 これまでは戦略的に1都3県を中心に事業展開してきましたが、フィットネス事業では秋田、仙台と東北エリアへの出店が決まりました。eスポーツ事業でも1都3県を中心にしつつ、郊外・地方での展開もしていきたいと考えています。
――今後の展望は。
能村 コロナ禍の時世でも、多くの人々が健康に毎日過ごせるようなサービスを引き続き提供していきたいと思います。感染リスク等に配慮した上で、イベントや大会などを定期的に開催していく予定です。