一般社団法人日本慢性期医療協会(東京都新宿区)は、4月12日、「医師の卒後臨床研修の抜本的見直しについて」の要望書を関係者に提出した。同8日に行われた定例記者会見にて、武久洋三会長が提言した内容に基づく文書となる。

武久洋三会長

 

記者会見で武久会長は、急性期病院から慢性期に移行してくる患者が、脱水や低栄養、高血糖などの異常を多数抱えていることを指摘。「臓器別専門医ばかりが増え続けている」と苦言を呈し、「高齢者を総合的に治療できる総合診療機能を有する医師の養成が喫緊の課題」としていた。

 

 

これを背景に、提言では医師国家試験合格後の2年間の「前期研修」と、これに続く「後期研修」の最初の2年間を総合診療機能を学ぶための研修期間とし、この4年の研修を経て、初めて臓器別専門医(専攻医)の養成に入るべきとした。同会によると、諸外国では総医師数の20~50%が総合診療医(家庭医)で、臓器別専門医とのバランスが取れているところ、日本では総合診療医が圧倒的に少ない状況だという。

 

 

現在、入院患者の大半を占めるのは65歳以上の高齢者で急性期病院でも75%以上が高齢患者となっている。この現状を踏まえ、同会が考える総合診療医――専門分野にとらわれ
ない幅広い知識と、リハビリテーションや看護・介護・栄養など職種横断的な知識を持ち、多職種からなるチーム医療を実践するリーダーの養成が急務としている。

 

 

 

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