<連載第117回 副業・兼業に関する注意点>

 

かねてから介護業界における人材不足は問題視されてきたところですが、昨年からのコロナ禍による現場の業務負担の増大により、人材不足問題は、さらに拍車をかけて深刻な状況になってきました。

 

 

そこで、介護業界においても、ワークシェアリングが注目されるようになってきました。かかるサービスは、必要な人材を必要なタイミングで登用することができるものであり、マッチングさえうまくいけば、現在の人材不足問題の解決に資する取り組みとなることが期待されます。

 

 

もっとも、ワークシェアリングは、労働者側が主として従事する会社等との雇用関係を維持しつつ、他の会社等とも雇用契約を締結して副業・兼業を行う方法により実施されるケースも見られます。

 

 

この場合、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(厚生労働省)に沿った、労働時間管理及び健康管理が必要となる点について注意が必要です。

 

特に、労働時間管理については、”副業先の時間も通算して把握する必要がある”ことを知っておいていただくべきでしょう(厚労省の通達において、「事業主を異にする場合」にも労働時間を通算しなければならないことが明言されています)。

 

 

労働時間については、昨年4月より、中小企業であっても単月100時間を超える残業(休日労働を含む)が禁止され、残業時間が単月100時間を超えてしまった場合には、罰則(6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されることになりました。

 

 

かかる上限規制は、副業を行う労働者がいる場合には、”副業先における労働時間も合算したもの”を基準に適用されることになってしまうため、副業先での労働時間を把握する必要が生じます。

 

労働時間の把握方法については、労働基準法を遵守できる程度に把握できれば足りると考えられているため、一週間分の労働時間を申告させる方法や、決められた副業先での労働時間を超える時間のみを申告させる方法といったバリエーションがあるものと考えられます。

 

 

以上のとおり、労働者に副業を認める場合や、副業先として労働者を受け入れる場合には、事業主として気を付けるべき点はそれなりにありますので、一度、専門家にご相談いただくべきでしょう。

 

 

弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士

家永 勲氏

【プロフィール】
不動産、企業法務関連の法律業務、財産管理、相続をはじめとする介護事業、高齢者関連法務が得意分野。
介護業界、不動産業界でのトラブル対応とその予防策についてセミナーや執筆も多数。

 

 

 

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