一般社団法人ビーンズ
放課後等デイサービスや就労継続支援施設などを手掛ける一般社団法人ビーンズ(東京都千代田区)。同社は2018年より、コーヒーの焙煎から販売までを行う就労継続支援B型の福祉作業所「ソーシャルグッドロースターズ千代田」(同)を運営している。就労を通じて手に職をつけることができ、明確なキャリアプランを描けることが特長だ。
ソーシャルグッドロースターズ千代田では25人の障害者が就労している。具体的な業務として、焙煎前の計量、品質を満たさない豆を取り除く作業、焙煎、焙煎後の品質管理、梱包作業などを行う。
また、カフェとして、カフェラテなどのドリンク類も400~500円ほどの価格で販売している。カフェ業務ではハンドドリップやエスプレッソマシンによるコーヒーの抽出なども担当している。
坂野拓海代表理事は「仕入れから販売、ドリンクの提供まで、一連の業務を内部で行っており、本格的にコーヒーに関する知識・技術を身に付けることができる点が特長です」と語る。
一般企業への就業につなげるために、トレーニーからプロのバリスタレベルの業務まで、能力に応じたステップアップのプランを整えた。それに合わせて年に1度給与の見直しも行っている。
同法人に加わったスターバックスの元人事担当者の協力で、大手コーヒーチェーンを参考にキャリアパスを設定した。「『どの程度の仕事ができるのか』が明確であり、一般企業へ就職の際にアピールしやすくなります。そのため、バリスタなど、コーヒーの専門的な知識を必要とする職業へ就業できる可能性が広がります」
「手に職を付ける」支援 一般企業就業につなげる
開設に至った背景として坂野代表理事は、「その人が人生のキャリアを高めていく道筋を思い描くことができ、さらに、自分の仕事にプライドを持てるような就業支援をしたいという思いがあり、この場所を開設しました」と語った。
また、ソーシャルグッドロースターズ千代田ではコーヒー豆の焙煎、店頭・オンラインでの販売などを行っている。看板商品のソーシャル グッド ブレンドの販売価格は200g1680円。
コーヒーはオランダから取り寄せた焙煎機を使用し焙煎。「Qグレーダー」というコーヒーの品質鑑定における国際資格を持った職人が、味と品質をチェックしている。
利益は、他社の福祉事業や災害者の被災者支援、貧困を抱えるコーヒー豆生産者の支援などに充てられている。