介護周辺領域強化
介護大手のベネッセスタイルケア(東京都新宿区)などを傘下に持つベネッセホールディングスは5月10日、プロトメディカルケア(同千代田区)の全株式を取得すると発表。譲受価格は42億5000万円。介護大手による周辺領域の拡大として象徴的な案件となりそうだ。
同社は中古車・生活情報サービスのプロトコーポレーション子会社で、介護サービス事業者ガイドブック「ハートページ」を発行。多くの自治体介護保険窓口にも置かれておりその知名度は高い。また、介護・医療の求人サイト「介護求人ナビ」、高齢者施設検索サイト「オアシスナビ」の運営も手掛ける。20年3月期決算では売上38億4600万円、営業利益1億7700万円。
情報誌・WEBサイトの広告掲載料以外に、福祉用具貸与・販売事業の規模も拡大させており、売上の半分に迫るまで成長していた模様。
買収には投資ファンドや大手介護事業者、大手福祉用具卸や福祉用具メーカーなども興味を示していた。
「メディア事業を切り離して福祉用具事業のみを承継したかった」(大手介護事業者)といった声もあった。
介護大手を持つベネッセHDが同業を対象とした情報サービスを手掛けることから、早くも掲載を取りやめるといった大手も現れている。しかしそこは織り込み済み。介護業界で圧倒的多数を占める中小零細を対象にサービスを強化していくとみられる。