専門職常駐の相談窓口設置

 

医療法人CLSすがはら(福岡県大牟田市)は今年11月、高齢者の社会参加を促す新たな取り組みとして「地域交流施設」を開設する。介護保険サービスをはじめ、生きがいづくりの支援にもつなげる、総合窓口を備えることが特長だ。

施設外観

 

 

 

社会参加を促進 11月開設予定

同法人は1968年開設の菅原病院を中心に、地域密着型の介護付有料老人ホームや居宅介護支援などを手がける。また、児童発達支援・放課後等デイサービスなど、児童福祉事業、障害者の就労支援事業を展開している。

 

 

新たに開設する地域交流施設は、既設の交流施設にはない、カフェ付きのコミュニティスペースのほか、放課後等デイと就労支援事業所を設置。

地域交流施設の開設を指揮する菅原知之専務理事は、「カフェを併設することで、目的がなくても立ち寄れる場所にしています。立ち寄った高齢者が、障害を持つ子どもや、子育て中の人などと交流し、『自分も何かしたい』と触発されるような仕掛けを考えています」と話す。

 

カフェに隣接する交流スペース

 

 

 

 

その仕掛けの1つとして、施設の一角に誰でも貸し出しと寄贈可能な本を設置し、併せて、おすすめの本を紹介するコーナーも設けるという。「本をコミュニケーションの媒介として交流が生まれるだけでなく、『自分も本を紹介したい』と触発され、社会参加を促す効果が期待できます」。

 

 

同施設には居宅介護支援事業所や障害サービスの相談支援事業所など、相談系の事業を集約。さらに、高齢者の様々な相談に応じる総合相談窓口を置き、法人独自の「リンクワーカー」が相談に応じる。

 

リンクワーカーは、社会福祉士の資格を持つ職員が、必要となる支援を、医療、介護、障害の分野横断的に紹介するほか、生きがいづくり支援として「地域貢献したい」と考える高齢者に、その場所を紹介することもできる。具体的な例では、同法人の介護付有料老人ホームにおいて介護助手としての就労が挙げられる。

 

 

同法人の事業地域では高齢化率の高さが課題だ。大牟田市の人口は約11万人。高齢化率は37.1%と県平均の27.5%を上回っている。今回の地域交流施設の設置により、コミュニティの活性化と生きがいづくり支援を推進。社会的フレイルの抑止から、高齢者の健康寿命延伸につなげていく。また、菅原専務理事は、従来の児童福祉、高齢者福祉に加えて、生きがいづくり支援も行うことで、「生涯、継続的に当法人と関わり合いを持つ利用者を獲得したい」とした。

 

 

 

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