カレア(東京都中野区)は、運営する看護小規模多機能型居宅介護事業所に、感染症対策としてウイルスを室外に漏らさないよう気圧を低くする「陰圧室」を設置した。利用者に、発熱や咳など感染症の症状が見られた場合などに緊急避難させ、感染拡大を防止する目的。導入には東京都による助成金を活用した。

カレア 田口善彦社長

 

 

導入したのは既存施設の居室内に陰圧空間を設置する「陰圧ユニット」。ユニット内に簡易陰圧装置を設置して室内の空気を減圧し、HEPAフィルターで空気を清浄化する。内装にはウイルスブロックコートとバイオクリアコート(ウイルス除去剤)を施工。

 

居室サイズに合わせてカスタマイズできるもので、施工期間はほぼ1日。工期・コストともに抑えつつ「医療機関で使用可能なレベル」の性能が確保されている。施工は大和ハウス賃貸リフォーム(大阪市)が行った。

 

 

陰圧室1室の設置に要した費用は約440万円。2020年度の東京都「介護施設等における簡易陰圧装置・換気設備の設置に係る経費支援事業」の補助金(補助率10分の10、基準額1台あたり432万円)を申請し、ほぼ全額を賄った。

 

看多機内の陰圧室。既存の宿泊室の内側に、ユニットを設置した。

 

 

中野区介護サービス事業所連絡会の会長でもある田口社長は、区とコロナ禍での介護事業者の課題について検討してきた。当件についても普及促進を図ったが「陰圧装置は医療機関で陽性者を治療するもの」とのイメージが強く、多くの介護事業者は導入に消極的だった。実績を作り普及を進める意図もあり、まずは自社での導入を決めた。

 

 

「目的は、感染症陽性者の積極的な受け入れになく、日常生活上の世話やケアを維持するため。重要なのは、重症化リスクの高い高齢者が感染を疑われる症状になった場合に、どう守るかだ。陰圧ユニットがあれば、症状が出た時点で移動してもらうことで、クラスター化のリスクを初期段階で最低限に抑止できる」と田口社長。感染状況や対策は随時、自社サイトなどで公表。利用者と家族の不安軽減に努めていく。

 

 

 

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