医療法人社団やまと
院長に元プロボクサー川島実氏が就任
宮城県や神奈川県で在宅医療を提供する医療法人社団やまと(宮城県登米市)は4月、6拠点目となる診療所「やまと在宅診療所 一関」を岩手県一関市に開設した。
同法人は2011年の東日本大震災をきっかけに結成された医療支援チームをベースとして、13年4月に宮城県登米市と東京都板橋区高島平の2ヵ所で、在宅診療所を開設。
14年に診療所がそれぞれ法人化し、「やまと在宅診療所 登米」は「医療法人社団やまと」として事業を開始した。現在は今回開設した一関市のほか、宮城県登米市・大崎市・栗原市、神奈川県川崎市・横浜市の計6ヵ所の在宅診療所を中心に、居宅介護支援事業所、訪問看護ステーションを運営、訪問栄養指導なども実施する。
一関市は人口約12万人、高齢化率は37%。
これまで一関市には在宅医療専門の医療機関がなく、また慢性期病棟も限られており、患者は隣接する医療圏に移らなければならなかった。これまでも栗原市・一関市の一部エリアに対応していたが、今回の開設により、一関市および平泉町全域に訪問エリアを拡大。診療所の建物は空き家を活用した。診療の際には、医師、診療アシスタント、看護師の3名体制で訪問する。
院長には元プロボクサーで、東日本大震災直後には宮城気仙沼市の病院で地域医療に尽力し、2016年より同法人の地域医療「やまとプロジェクト」に携わる川島実氏が就任。

医療法人社団やまと 川島実院長 写真提供:イーストタイムズ
「コロナ禍では、施設や病院での面会がままならないため、在宅で過ごしたいという患者や家族からのニーズがますます高まっている。在宅診療という選択肢を提示して、『患者さんを安心して住み慣れた家に帰す』という使命を果たしていきたい」(川島実院長)