高齢者住まい事業者団体連合会(東京都中央区/以下・高住連)は6月2日、高齢者向けの住まいの紹介に当たる事業者を対象としたWEBセミナーを開催した。

高住連が目指す「紹介事業者の質の向上」の一環として行ったもので、2021年度初の開催となった。

 

 

セミナー講師として登壇したのは、介護事業者のニチイケアパレス(東京都千代田区)の梅田美香執行役員(事業統括本部長補佐)。

 

 

「看取り」選択を左右

 

「多死社会の到来、看取り対応とACP」の演題で講演した。
講演で梅田執行役員は、多死社会化に伴い、有老などの高齢者施設において看取りの必要度はますます高まっていく傾向にあると指摘。そのうえで、「安心して暮らしていける場所は、つまり安心して最期を迎えられる場所である」とし、適切な看取りケアの重要性を説いた。

 

さらに、本人の意思決定を中心とした看取り対応の可否や充実度がホーム選択時の判断の重要なファクターになると予測。紹介事業者においても正しい理解が求められるとして、意識を喚起した。合わせて、実際に現場で行われている看取り対応についても紹介した。

 

 

高住連では、20年6月に「高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度」を創設。入居検討者やその家族、ケアマネジャーや医療機関が高齢者向け住まいの相談先の参考にできるよう、届出を行った高齢者向け住まい紹介事業を行う事業者(紹介事業者)の一覧を同10月より公表している。今年3月1日時点での届出事業者数は230社となった。

 

今後も紹介事業者の質の向上、透明性を確保していきたい考え。今回同様のセミナーも随時実施していくほか、相談業務を行う上で必要な介護保険やコンプライアンス、契約行為や倫理観について学んでもらう環境を提供する。具体的には、eラーニングによる基礎学習ツールを用意する方向で、検討を進めている。

 

 

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