デイサービス運営などを手掛けるウェルフューチャー(東京都千代田区)は昨年9月、有償ボランティアの活動をレクリエーションに取り入れるデイサービス「ブルーミングラボ小田原浜町」(定員20名)を神奈川県小田原市に開設した。有償ボランティアによる収益は、利用者の介護保険サービス利用料から還元される。

 

6月1日の働レクの様子(ブルーミングラボ小田原浜町)

 

 

対価は介護利用料で還元

新たな試みを行うために同社が開設した個室宿泊対応のデイサービス「ブルーミングラボ小田原浜町」では、かっぽう着姿の利用者が黙々と「仕事」に専念する。役割をつくることで、利用者の喜びや生きがいを引き出すレクリエーション「働レク(わくれく)」と称して、地元企業などから委託された案件を手伝っているという。

 

「利用者は、『仕事に行く』感覚でデイに通っているようです。やりがいを感じている利用者の様子に、家族にも喜ばれています。協力企業のコスト削減に貢献でき、みんながわくわくするレクとして、働レクと名付けました」(新領域創造部下嶋将範部長)

新領域創造部 下嶋将範部長

 

 

現在引き受けている主要案件は、大手宅配寿司から依頼されている、箸・醤油・醤油皿セットの袋詰め。箸・醤油・醤油皿を利用者が流れ作業で袋詰めし、最後にスタッフが個数などを確認して、封をする。1セットあたりの単価は1〜3円。有償ボランティアとして活動した分の収益は月間で精算され、参加回数に応じて利用者に按分する。事業者と利用者間で現金の受け渡しはせず、介護保険サービス利用料から全額還元し、自己負担分を軽減させる。働レクには希望者のみが参加。参加率は6割ほどで、1人あたり月額1000円弱が差し引かれているという。

 

 

利用者はかっぽう着に袖を通すと、「さぁ頑張るぞ」と意気込み、仕事モードに。通常、働レクで行う作業時間は1〜1・5時間だが、その日は、利用者6人が30分ほどで100セットの作業を完了した。全盲の利用者も参加しており、利用者ごとにできる作業を担ってもらう。

 

 

活動に賛同している地元企業などからの案件のため、納品期限は定められていない。そのため、利用者のペースに合わせて作業を進められるという。
「専業主婦として人生を送ってきた利用者は、生まれて初めてお金を稼いだことに、達成感を得ているようでした」(下嶋部長)

 

 

地域交流を重視している同施設では、入口に駄菓子コーナーがあり、そこには利用者が働レクで制作したブレスレットが入ったガチャガチャが置かれている。コロナが落ち着いたら、地域の子どもたちを呼び込み、利用者と交流する機会を創るという。

 

現在、新企画として「じぃじ&ばぁばの便りガチャ」の準備を進めている。利用者がオリジナルキャラクターに扮して書いた手紙のコピーを、ガチャガチャに入れて販売。飲食店などにガチャの設置を提案する。

 

ウェルフューチャーでは同施設をモデルに、この取り組みを広げていくといい、現在はデイサービス「たのし〜む十日市場」(定員10名)でも、働レクを行っている。

「企業に働き掛け、利用者が活躍できる案件を増やしたいです」(下嶋部長)

 

黙々と作業に専念する利用者(たのし~む十日市場)

 

 

 

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