北九州・NPO法人抱樸
特定非営利活動法人抱樸(北九州市)は、主に困窮者・ホームレスを対象に支援を行っている。2018年より、高齢・低所得者などを主な入居対象者とした見守り支援付き住宅「プラザ抱樸」(同)の運営を開始。同住宅はマンションの空室を転用しており、住宅確保困難者の受け入れだけでなく、賃貸住宅の空室増加という課題の解決にも貢献する。

 

 

生活破綻、未然に防止
家賃滞納リスクを低減

抱樸は、1988年に行われた日雇い労働者の実態調査をきっかけに設立された法人。北九州市を始め、福岡市、中間市、山口県下関市などで活動している。主に、北九州市内の公園での炊き出し、ホームレス自立支援センター北九州の運営、仕事に関する相談・訓練、居住支援を行っている。2021年3月までに、約3600人の自立支援を実施してきた。法人の活動をサポートする正会員数は、現在191人。

 

 

18年より運営を開始したプラザ抱樸は、JR城野駅から徒歩10分の場所にある。建物は鉄筋コンクリート12階建て、耐震・耐火構造。全110部屋の内、60部屋を法人が借り上げ、46部屋をプラザ抱樸として運営している。地元不動産会社である田園興産がオーナーとなっており、抱樸がサブリースしている。現在、オリコ・フォレントインシュアが家賃保証を担っている(図表参照)。

事業のスキーム

 

主に抱樸の相談事業や地域包括支援センターなどからの相談などで、安価な住居の確保と生活の見守りが必要とされる人が入居している。

 

 

特徴は、管理人による訪問見守りと、必要になった場合は就労支援などを受けられる点。
管理人は、3日に1回程度入居者を訪問。また、月2回のオートコールにより安否を確認する。これにより、孤独死を防ぐほか、家賃滞納などの問題を事前に察知。法人による各種支援につなげることで未然に対処が可能になる。

 

 

月額料金は、家賃が2万9000円のほか、公益費6050円、生活支援費2200円となっている。法人では、オーナーより1部屋2万円で借り上げている。プラザ抱樸として活用される以前、マンションは空室の多さが問題になっていた。居住支援事業部の山田耕司部長は、「安価に借りることができ、家賃も低く設定できています」と話す。サブリース差益の9000円と生活支援費の2000円、合計1万1000円を見守りなどの生活支援に掛かる費用に充てている。「当法人が見守り、生活支援を行うことで、賃貸保証会社・オーナーは家賃滞納などのリスクを低減できます。そのため、高齢・低所得者にも貸し出しが可能となっています」。また、オーナーは空室による損失を回避できる。

プラザ抱樸内観

 

退去者を含め、入居者の平均年齢は54歳で、60歳以上の入居者が34人。一方で10代、20代もこれまでに14人入居している。「その中には、軽度の障害者や未成年の母親など、当社の想定より様々な人が入居しています」と山田部長は話し、地域からのニーズは高いとした。

 

 

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