スケールに基づいた定量評価の重要性

2021年度介護報酬改定における最注目の1つである科学的介護情報システム『LIFE』に関連して、6月に各事業所へ初回のフィードバックが行われました。

 

 

初回は、21年4月利用分のデータ集計であり、全サービス共通となります。現場の事業所からは「このデータをどう利活用すれば良いのか?」「とてもじゃないけど活用のしようがない」と言った厳しい声も聞こえてきます。

 

 

そこで改めて『LIFE』の意義とフィードバックデータの利活用について論考します。

まずそもそも、今回は初回のフィードバックであり、1ヵ月分のデータのみですから精緻な分析データにならないことは当然です。私は、当初より当面の期間、フィードバックデータについては参考程度になると各所で発信し続けてました。全国の介護事業所が協力し、データ提供がされるほどに集積され、分析の精度も高まってくることとなります。従って、本当の意味で利活用できるフィードバックデータとなるには、1年近くの時間を要するのではないでしょうか。

 

 

今後データが蓄積されていけば、サービスごとや、要介護度ごと、年齢ごとの平均値が時系列で示され、比較データとしての活用精度が高まることが想定されます。当面の間、フィードバックデータは参考程度に捉えましょう。そもそも、これまで要介護者の状態を評価スケールに基づいてしっかりと評価してきた事業所は少なかったわけですので、『LIFE』を通じて「ADL」「口腔」「栄養」「認知機能」についての評価を行い、情報収集することに大きな意義があります。

 

 

そして、個別の介護計画や機能訓練計画などを策定する際に、評価スケールで収集した項目に対して、維持もしくは改善を短期目標・中長期目標に設定し、目標実現のための具体的な介護計画に落とし込んでいくことが重要であります。

 

 

例えば、「ADL」であればバーセルインデックスの点数について半年後の目標点数を定めて、そのための個別機能訓練計画を策定し、個別の機能訓練を実施していくことによって、しっかりとケアの質の定量評価を行えることとなります。さらには、『LIFE』において評価・収集した情報について、担当のケアマネジャーや他事業所とサービス担当者会議を通じて情報共有することによって、チームケアの質向上につながります。

 

 

 

そして、この目標設定を行う上で、目標値の妥当性の検証にフィードバックデータを利活用し、全国平均値などとの比較を行っていくことが可能となります。『LIFE』の活用に基づく科学的な介護の実現は緒についたばかりです。

 

 

 

斉藤正行氏 プロフィール
2000年3月、立命館大学卒業後、株式会社ベンチャーリンク入社。メディカル・ケア・サービス㈱の全国展開開始とあわせて2003年5月に同社入社。現在の運営管理体制、営業スキームを構築し、ビジネスモデルを確立。2005年8月、取締役運営事業本部長に就任。2010年7月㈱日本介護福祉グループ副社長に就任。2018年4月㈱ピースフリーケアグループ代表に就任。2018年6月、介護業界における横断的・全国的組織となる一般社団法人全国介護事業者連盟を結成。㈱日本介護ベンチャーコンサルティンググループの代表を務めている。

 

 

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