TOB成立も基本方針継承

 

デイサービス最大手のツクイ(横浜市)は昨年、持株会社体制に移行し、ツクイホールディングス(同)を設立。さらに今年に入ってからのTOB成立、創業家の前社長退任と、相次ぐ改革を行い、耳目を集めている。今年6月、新社長に就任した高畠毅氏に今後の方針と事業戦略について聞いた。

 

ツクイホールディングス 高畠毅社長

 

 

──新体制での戦略はどうお考えでしょう。

 

高畠 戦略を大きく転換させることは現状、ありません。これまでの中期経営計画に示した通り、事業展開を進める中で、様々な課題が見えてきました。デイサービス(以下・DS)を中心に、「ツクイの考える地域包括ケアを確立する」基本方針はそのままに、ファンドとも話し合いつつ、課題に取り組み、積極的な事業展開を図っていきます。

 

 

 

──DSの拠点数は530件(7月末現在)と、国内ナンバーワンを維持されています。今後も拡大の方向でしょうか。

 

高畠 DSは在宅生活を支える上で必要不可欠なサービスです。コロナ禍での外出控え、利用控えがADL低下につながったことは明らかで改めて、その重要性を感じています。
今後DSの新規出店は積極的に進める方向にはありますが、出店方法を切り替えつつあります。従来の標準タイプの出店から、よりコストパフォーマンスの良い出店へと、シフトさせていく計画です。

一方で既存店のサービス提供についても、検討が必要だと考えています。中重度者向けと軽度者向けのサービスをいかに切り分け、DSを充実させていくか。「磨き込み」を課題と捉え、取り組んでいきます。

 

 

 

──軽度者向けにシフトされるということでしょうか。

 

高畠 シフトではなく、切り分け。稼働している拠点をいかに有効に機能させるか、その視点からの再構成です。現時点でのサービスは、軽度者向けと中重度者向けのサービスを同一拠点で提供しています。これを切り分けていこうということです。もとより、ハードは中重度者向けに作られていますから、どちらにも切り替えは可能です。物件毎に現契約の更新などのタイミングに合わせ逐次見直しを行い、より地域のニーズに合った効果的で、合理的な形への再構成を図って行きます。

 

ツクイ札幌麻生(看護小規模多機能型在宅介護)

 

 

──居住系では昨年、東京建物とジョイントされたサ高住が話題になりました。

 

高畠 住まいをどう提供していくかは、課題の1つです。当社では現状はどちらかというとハイエンド向けの居住系サービスを提供しています。結果、都市部でDS利用者のニーズとは乖離が生じています。ただ、その乖離を埋めるべく、低価格帯の施設展開に舵を切るかといえば、その選択はない。居住系については、可能な限り既存リソースを活かした展開を図ります。例えば、住民の高齢化が進んだ既存マンションの管理組合などと連携し、住民を対象とした在宅サービスを提供することもその1つ。これによりリスク低減、利益創出も図れるものと考えています。

 

 

「在宅生活」支援を強化

 

 

──居住系よりは、通所や訪問による在宅支援を重視されるということでしょうか。

 

高畠 DSは1日8時間、週に2〜3回利用するサービスです。それ以外の時間を過ごす場に、サービスを提供する必要があると考えています。DSだけでは把握できない課題が生活にはある。訪問によるサービスの重要性を再認識しているところです。在宅サービスを充実させ、「自宅での生活をどう支援していくか」を主たるテーマに据える。より良い訪問サービスのあり方を模索していきます。

 

 

──在宅生活を支えるための施策は。

 

高畠 訪問看護にも注力していきます。介護の必要度が増すにつれ、医療との連携は不可欠になる。現状での訪問看護拠点は、全14拠点ですが、いったん出店をストップした状態にありました。この開設を再開。今後は小型のM&Aなどによる拡大も視野に入れ、積極的な展開を図っていきたいと考えています。

 

 

 

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