複合施設 コミュニティの基点に

 

 スマートライフ(山形県米沢市)は2014年から、米沢駅前でサ高住、デイサービス、フィットネスジムの複合施設を運営。高齢者が役割と目的を持って生活できることをコンセプトとしている。

 

酒井登 代表

 

 

 

複合施設は、8階建ての棟と2階建ての棟からなる。8階建ての棟がサ高住、2階建ての棟にデイサービス、フィットネスジム、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所が併設されている。

 

フィットネスジムはサ高住の入居者をはじめ、一般の人も利用可能だ。サ高住は、入居者が自立の状態から暮らせる住宅をコンセプトとし、1室30m2以上と広めの造り。敷地内の一角では、住民が野菜作りやガーデニングを楽しむ。

 

施設外観

 

 

定員60名のデイサービスの月間利用者数は、延べ人数で1300名にのぼる。「役割と生きがいを創造する」ことを目指した運営が利用者に評価され、開設当初の月間延べ利用者数100名からその数を増やした。利用者は「サークル活動」としてカラオケ、将棋、習字など約6種類の中から好きなものを選択し取り組む。リハビリはあくまで自分のしたいことを達成する手段と位置付ける。

 

 

「サークル活動を継続すると、利用者の中に”指導役”が出てくる。コミュニティの中で、自然と役割が生まれることが、まさに事業を展開する上で目指していたこと」と佐藤頼宣取締役事業部長は語る。

 

佐藤頼宣 取締役事業部長

 

高齢者福祉事業に参入前は冠婚葬祭事業を行っていた酒井登代表。14年に同社を設立し、当施設を開設、事業を開始した。インスピレーションとなったのは、山口県の「夢のみずうみ村」というデイサービスだ。

 

 

「利用者が『来客時の案内役』、『施設内通貨の銀行員』などの役割を担う。”自立を勝ち取る場”としてデイを利用する姿に感銘を受けた」と酒井代表は言う。先鋭的なコンセプトや外観から、開設当初は集客に苦しんだ。自治体に掛け合い体操教室を開催するなど、地道に営業活動を行った。着実な運営で徐々に利用者、入居者を増やし、コロナ禍の現在も安定した経営を続けている。

 

 

フィットネスジムでの市民の健康支援プログラムの提供をはじめ、屋外のヨガイベント開催など、事業の幅を広げている。現在、ビジネスパーソンを主なターゲットに、他企業と提携し、アプリを使ったランニング支援事業を計画中だという。

 

 

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