NSGグループの社会福祉法人愛宕福祉会(新潟市)は、ローカルラジオ局のオリジナル番組やSNSを活用して介護や福祉の情報を発信。他事業所との交流が盛んになったほか、人材採用にも効果が出ているという。
新潟市内を中心に高齢・障害・児童分野で36拠点展開する同法人は、2年前よりローカルFMラジオでオリジナル番組「福祉の情報番組」を毎週水曜日、13時30分から1時間放送している。この番組では、地域包括支援センターや警察署、消防署の職員などをゲストに招いて、介護や福祉、健康、防災など生活に役立つ情報を届ける。
介護川柳を紹介するほか、質問コーナーも設けられている。過去にはNSGグループが支援するサッカーチーム「アルビレックス新潟」の元選手や、新潟を拠点に活動する音楽アーティストが登場した。
パーソナリティーはこの取り組みの発起人でもある住宅型有料老人ホーム「巻愛宕の園」の佐藤朱美施設長と、法人の職員2人が務める。ラジオ番組を始めたきっかけについて、「以前、施設の近くにあるラジオ局の駐車場を借りていた時、ラジオ局のスタッフに福祉の情報や介護の魅力を届けてみたいと話したところ、番組を持てることになりました」と語る。

巻愛宕の園 佐藤朱美施設長
徐々に反響を呼び、視聴者から質問や相談、感想が届くようになった。SNSも活用することで、エリア外の人にも情報を届けている。2900人以上のフォロワーがいるインスタグラムではラジオ番組の収録を先行ライブ配信している。TikTokでは入居者の日々の様子を発信。
「ラジオやSNSでの発信は、特に面会に来られない遠方の家族に好評です。また、採用応募も以前より増えました。今まで繋がりのなかったほかの地域の介護職員との交流も生まれました」(佐藤施設長)

ラジオ番組収録の様子
このような取り組みが生まれたのは、NSGグループの新しいことへの挑戦を高く評価する風土からだという。同法人でも職員の自主性を引き出すために表彰制度を導入しているほか、新たな企画などを提案する企画「ATAGOチャレンジイノベーション」を毎年実施している。
「職員のアイディアを積極的に評価しています。若手職員もベテランの職員に負けないくらい活躍してくれています。離職率も改善することができました」(石崎昂一理事長)

愛宕福祉会 石崎昂一理事長