増員なしでシフト充足

 オリーヴ(東京都中央区)は介護事業者向けに、外国人材活用、人材コンサルティング事業を展開している。2019年より、宮城県で実施されている介護職週休3日制導入の実証事業に協力。今年からは同社の事業の一環として、全国の介護施設を対象に週休3日制導入支援を行っていく。

 

 

介護現場での週休3日制では、1日の勤務時間を10時間とする代わりに週休を3日とする。職員がしっかりと休養を取れるほか、職員の勤務が重なる時間帯が増え、業務負荷の軽減につながる(図表参照)。これによりサービスの質向上、人材採用・定着が見込める。週の総勤務時間は変化しないため、給与は変わらない。

 

 

一般的に、引継ぎや各種書類の作成などが業務時間内に終わらず、残業となってしまうケースが多い。週休3日制シフトでは、人手を最も必要とする時間帯に従来のシフトと比較して多く職員を配置できるため、書類作成などの業務に充てる時間が確保できる。「かぶりの時間」が長くなることから引継ぎもスムーズになる。

 

 

宮城県では介護人材確保・定着促進の施策として20年より、「宮城県介護職週休3日制応援宣言!」と題したプロジェクトを開始。特養やグループホームなどの複数の施設におけるトライアルを行うなど、全国に先駆け介護職週休3日制の普及を図っている。

 

 

オリーヴは、そのプロジェクトで県より委託を受け、施設の支援を担当。

①導入前の職員向け説明会

②シフト作成の補助

③運用中に生じた課題へのフォローアップ

――などを行った。

 

トライアルでは職員の希望に応じて、週休3日制と従来通りの週休2日制を選べる混在型としており、週休3日制から従来通りのシフトへも戻せるようにした。

 

 

石塚正拓副社長は導入に際して、①において職員へ目的や効果などをしっかり伝え、コンセンサスを得ることを重要視したという。「職員に内容をしっかり理解してもらわなければ、誤解に基づく不平等感も生じます。それでは施設は上手く回りません」。

 

 

説明会には職員全員が必ず参加するようにしたほか、導入事例会として週休3日制を既に導入している施設職員を招き、実際の様子を語ってもらったという。
「説明会前に取ったアンケートでは、7割の職員が『週休2日制を希望する』という結果でした。その後は結果が逆転し、7割が『週休3日制を希望する』と回答しました」(石塚副社長)。

 

1週間の総労働時間は変わらない

 

②においては、オリーヴの薄井裕二顧問がマネジメント層向けにシフトの組み方についてレクチャー。薄井顧問は特養の元施設長で、在職時に週休3日制の導入を行っている。その経験を活かしたアドバイスを行った。

 

 

トライアル中、職員からは「初めて連休を取ることができた」「定時であがれるようになった」など、実際に負担軽減の効果があったとする声が多かったという。
オリーヴでは今後、東日本を中心に全国の施設での導入支援を行っていく方針だ。5年後を目途に、1000人の介護職に週休3日制を取り入れることを目指す。

 

 

鳥居賢一社長は、事業者が導入をためらう背景に、「休みを増やすならその分増員が必要という誤解がある」と指摘する。「宮城のトライアルでは、GHなど小規模な事業所でも増員せずに効果を上げています。『小規模な法人だから導入できない』ということはありません。このトライアルでの結果・経験をもとに、介護職の週休3日制を普及させたいと思います」

週休3日制では、職員勤務時間が重なる時間が増える

 

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