在宅患者約1300名を抱え、北関東で最大規模の在宅療養支援診療所を運営する医療法人あい友会(群馬県太田市)。今夏、3ヵ所目となる「あい駒形クリニック」を前橋市に開設、診療を開始した。法人の歩みや取り組みについて野末睦理事長に話を聞いた。

 

医療法人あい友会 野末睦理事長

 

 

──法人概要について

野末 2014年に群馬県太田市にあい太田CLを開設した。その後、20年に山形県東田川郡、今回の前橋市と3ヵ所で在宅医療を手掛けている。

 

 

──所属するスタッフについて

野末 医師は太田で常勤10名・非常勤5名、前橋で常勤3名・非常勤1名、山形が常勤1名・非常勤6名といったところだ。看護師はすべて常勤でそれぞれ、17名・6名・9名程度。私は開院前、大手病院グループの病院長をしていたため、医療機関経営における医師を含めた採用の大切さは身に染みて感じていた。そこでノウハウを得たことも法人拡大に生きている。

 

医療職のほか、バックオフィス部門が15名、各拠点にドライバーなどの訪問診療アシスタントも17・8名が所属している。「5─750体制」と呼んでいるが、常勤医5名で750名に対して訪問診療を行うことを最小単位のユニットとしている。ある程度余裕をもった人員体制としなければ、安定したサービスを継続的に提供していくことは難しい。

 

 

──施設・居宅の患者割合は

野末 各CLにより多少異なるがおおよそ施設7・居宅3といったところだ。ニーズがあればどちらでも構わない。
一般的に重度や終末期患者には丁寧で熱心な医師が関わるケースも多いが、介護人員比率の低い低価格帯施設の診療に熱心に取り組む医師が少ないように感じる。北関東エリアにも入居者が生活保護者中心の施設が少なくないが、ケアの質を含め懸念される状況も散見される。

 

こうした場合、当院では施設に対して無償で連続的な研修を提供し、ケアの質を高める提案をしている。施設の経営者にもよるが、我々の提案を受け入れてもらうことでケアの質も施設スタッフのモチベーション向上にも繋がる。結果、患者・入居者のQOLを高めることができる。

 

 

──法人としての特徴は

野末 緩和ケア、摂食嚥下、口腔ケア、腎不全、神経難病、呼吸機能といった在宅特有の6つの病態。DX、地域多職種の2つ連携。創傷・フットケア、栄養サポート、訪問リハビリの3つの機能回復サポートを組み合わせ、「623(むつみ)式アプローチ」と呼び、在宅療養の専門的・包括的な解決を目指している。
また、黒岩恭子先生の「黒岩メソッド」を取り入れ、口腔ケアには特に注力している。

 

 

――かつては全国展開の病院グループにおいて病院の経営を担っていた。病院と在支診経営・運営の違いは

野末 本質的な違いはないと思う。大切なのはスタッフがやりがいを持ち活気ある職場にすること。私が病院経営のときから言っていることが一つだけある。とにかく「日本一のことをやろう」ということだ。それが教育なのかリハビリなのかなんでもいい。ただ一つ、何かで日本で一番になるというコンセプト。これだけでもスタッフのモチベーションは違ってくる。
今後も通院が難しい在宅患者は増加する。在宅でも最期まで生活が継続できるよう、総合的な支援をしていきた。

 

3ヵ所目となるクリニックを開設した

 

 

 

 

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