ファンドレイジングにIT活用

本コラムはアカリエ(横浜市)の髙健一社長による「ICT×医療×介護」をテーマとした特別対談コーナー。第12回目は引き続き、全国各地の福祉団体のファンドレイジング・アドバイザーを行う日本地域福祉ファンドレイジングネットワークCOMMNET理事長の久津摩和弘氏との対談。高齢者、ITをテーマに語ってもらった。

 

久津摩和弘 理事

 

 

 

■ファンドレイジングにおけるIT

 

――髙橋 高齢者、ITというテーマでファンドレイジングについて聞きたいと思います。クラウドファンディングが日本でも市民権を得てきていますが、ファンドレイジングにおいても今後ITを使っていけると感じることはありますか。

 

久津摩 ファンドレイジングに必要なものの1つは、顧客データベース(支援者データベース)です。年賀状などを送る際の住所の印刷作業を行うにしても、手作業で行うと数日かかってしまう場合、データベースを活用して作業をすると2、3分で終わります。業務量を減らして、満足度を上げることができるのがITだと思います。

 

 

 

――髙橋 ほかにもメリットはありますか。

久津摩 データベースを使って、相手の名前入りでメルマガを送付できることもメリットです。名前を入れることで開封率が変わってきますし、イベント関係で研修会に来てくれた方の情報もデータとして管理できます。

 

 

■今後への期待

 

――髙橋 ファンドレイジングにおいて、ITがこんな役割を果たせるのではないか、5年後、10年後変わっていけるのではないか、ということはありますか。

 

久津摩 ITの定義が難しいですが、これまでは「こんな支援をしています」と発信しても、何のために行っているのかという点については、伝えられていなかったと思います。「地域で見守りをやっているので寄付をください」と伝えていても、なぜ見守りをやっているのか分かっていない。
誰が困っていて、どんな人が苦しんでいるのか、どんなことに苦しんでいるのかが明確にして伝えることができておらず、これまでは寄付を求める市民に伝わりづらいことが多くありました。
現在では、YouTubeなどのツールもあり、多くの団体が口や文章だけでは伝わりづらい社会問題を、動画などによって現場のリアルな状況を伝えて共感を集めることができています。

 

 

■福祉・介護における立ち位置について

 

――髙橋 伝え方においてはどうでしょうか。

 

久津摩 活動の結果だけでなく途中経過などを伝えることが必要です。オンライン化が進む中で、そういった内容を伝えることが容易になりました。結果、支援する方から見ても、支援しやすい環境になったと思います。

 

 

 

――髙橋 高齢者、介護の分野でも、同じことができるのではないかと可能性を感じました。

 

久津摩 そうですね。誰から支援してもらいたいのか、誰からお金を集めたいのか、という点が大事になってきます。制度だけでは実現できないことをやっていきたい、こんな夢を実現したい、社会を変えていきたいという想いを、どのような方に支援してもらいたいのか、ターゲットを誰にするのかも重要です。ファンドレイジングは、ファンを集めることです。支援者、楽しさを増やしていく取り組みです。その点から、「フレンドレイジング」とも呼ばれています。社会課題を解決していく仲間を増やしていくのがファンドレイジングです。

 

 

 

――髙橋 具体的なメリットはどのようなことですか。

 

久津摩 ファンドレイジングが上手く回ると、制度報酬だけではなく、多様な財源を得られるようになります。また、支援者が増えると、作った商品を買ってくれる方も増え、助成金も獲得しやすくなります。そして、寄附金があると財源へのリスクヘッジにもなりますし、その安定運営を信頼して利用者も増えていくことにも繋がります。ファンドレイジングをうまく活用し、社会を変えていってほしいです。

 

 

 

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