医療法人社団アスカ(富山県氷見市)の介護老人保健施設エルダーヴィラ氷見(同)では、転倒など施設内での事故防止に力を入れている。居室内の物の配置を示したシートの作成や、多職種での会議を行うことで、転倒件数が1年で60%以上減少した。

 

施設ではここ2~3年、ベテラン職員の定年退職が続いたこともあり、新入職員の割合が高まったという。介護職員のマンパワー不足が深刻化していたため、リハビリ専門職など他職種も居室での介助を行うことで補ってきた。

 

一方、不慣れな職員が居室内の物の位置を変更するなど、わずかな居住環境の変化で転倒事故が起こることもあったという。施設サービス計画推進部谷要吏子部長は「『今日初めて働く』新入職員であっても、入所者に応じた安全な居室環境がわかる体制をつくろうと考えた」と経緯を話す。

まずは入所前に、介護職員や看護師、リハビリ専門職、相談員などが集まって入所者の転倒リスクを検討。身体状況などを踏まえ、転倒予防策を講じていく。

それをもとに、居室環境と利用者の情報が一目でわかる「居室環境シート」を作成。居室内のポータブルトイレや車椅子など、動かせる物の位置を図で示した。

 

居室環境シート

 

 

入所者の移乗方法や介助時に注意すべきポイントも同一の用紙にまとめ、職員の目に入りやすいよう、ベッドサイドに掲示している。併せて、物の定位置は床に目印のテープを貼り付け、時間帯によって移動が必要な物については、「何時にどこに置くか」を明記したシールを貼った。
週に1回、職員間で転倒予防策の確認や入所者の状況を共有し、状態変化に応じて介助方法や居室環境の見直しを実施している。

 

シートを見やすい位置に掲示している

 

 

転倒事故やヒヤリハットの報告・共有も徹底。ミーティング時に報告書を読み上げ、申し送りなどで予防策の確認を行う。発生から2週間は経過観察をし、適宜予防策を見直すこととしている。
「これらの取り組みにより、勤続年数3年未満の職員が7割である状況でも転倒件数が1年で約60%減少した」と谷部長。

 

施設サービス 計画推進部 谷要吏子部長

 

 

昨年には職場環境の改善などに積極的に取り組む介護事業所を表彰する、富山県「がんばる介護事業所」として表彰を受けた。
「職員が入れ替わったとしても、入所者が安心できる介助、整えた居室環境を提供したい。24時間、安全な状態を維持できるよう取り組みを続けていく」(谷部長)。

 

 

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