ポジティブな反応を生む「思考の上書き」
仕事上でミスをした時、「私は何をやってもダメだ」「いつも私は失敗する」などと考えると、どんどん落ち込んで、不安になったり、胃が痛くなったり、さらにお酒やタバコが増えたりすることもあります。このように、何か出来事にぶつかった時、物事をネガティブにとらえる人の『思考のクセ』について、「独断的推論」「べき思考」「レッテル貼り」「全か無か思考」「自己関連づけ」などがありますと前回紹介しました。

 

 

『思考のクセ』ができる原因は、過去の経験、トラウマ、人間関係、失敗体験などです。
人間の性格を変えるのは難しいですが、『思考のクセ』は変えることができます。柔軟性のあるポジティブな思考に切り替える簡単な方法を紹介します。

 

冒頭の事例のような考え方をして落ち込んだり、不安になったりした時、その後で、次のように考えてみます。
「ポジティブな思考に切り替えるには、どう考えたらよいのだろう」と。
そうすると、「起きてしまったミスをなくすることはできないけれど、同じミスをしないようにしよう。そのためにどうすばよいだろう」と考えたとします。

 

その結果、ミスの原因を考え、ミスを起こさないための対策を考え始めます。すると、落ち込みや不安な気持ちは、「今後は、同じミスをしないようにがんばろう」と前向きな気持ちに変わります。胃の痛みも治まり、考えた対策を実行に移すことができます。

 

「仕事上でミスをした」という出来事に対し、自分がどのようにとらえて考えるかということが大切なのです。この考え(思考)が自分の気持ち・体への反応・行動に反映されます。

 

この方法を、私は「思考の上書き保存」と名付け、研修でお伝えしています。パソコンのデータも修正入力をして上書きすると、元のデータはもう取り出せません。思考も同じで、ネガティブな思考をして憂鬱や不安を招いている時、ポジティブな思考に切り替えて上書きすれば、ポジティブな反応に切り替わるのです。

 

実際にある介護施設のメンタルヘルスケア研修(7時間×3回・隔月1回実施)の時にこの方法をお伝えし、20代の女性介護職員の方が実践され、4ヵ月後の研修最終日に、「思考の上書き保存」を続けていたら、最近ネガティブ思考をしなくなりましたと報告してくださいました。研修の初回には、暗い表情でうつむくことが多かったのですが、最終日には明るい表情に変わり、皆さんの前で堂々と話をされるほどに変化していました。思考が変われば、気分も行動も変わるということを実体験されました。

 

垣内イスズ プロフィール
けあ人財アカデミー合同会社・代表として、介護職の人財育成・メンタルヘルスケアに取り組んでいる。前職のパナソニック エイジフリー(株)で16年勤務し、介護付有料老人ホームの運営と人材育成の経験に加え、成功心理学・コミュニケーション心理学と言われるNLP(神経言語プログラミング)トレーナーとして、管理職育成・介護職員育成・メンタルヘルスケア研修、介護職のカウンセリングなどを実施している。

 

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