素直な気持ちを言葉にする

 

北原家「人生会議」一応無事に第1回開催。朝の9時に母を迎えに行き、私の好きな蚤の市に連れ出した。母は購入品をレジに持っていくと、他のお客さんを待たせていることなど眼中にない様子でバックの中身を全てだしはじめ、底の財布を取りだした。私は店員さんの優しさにホッとしつつも、申し訳なさと恥ずかしさとイライラ感で思わずその場を離れた…。このような腹立たしさが何度あったことか…。家族介護の大変さを改めて実感した。

 

 

「人生会議」を行いたく誘ったものの、どう切り出したらよいやら。気の強い母だから怒り出したらどうしよう…。その時はさっさと帰ろうと覚悟を決めてきたものの、切り出せたのは自宅での夕食も終え、2杯目のコーヒーも飲み終えた19時過ぎ。

 

 

私は父に免許証の裏面を見せて臓器提供のサインをしていることを伝えた。そのうえで「私の葬儀は亡骸が無いかもしれない。そこは理解してね」と伝えた。すると「年功序列でこっちの方が先だよ」と父が言う。「でも私は運転するから不可抗力で事故も起きるし。いつ何時何があるかわからないから、お互いの延命治療、延命措置なんかも希望するのか否かは伝えておかないとね」。

 

 

父は「おれは延命措置なんて嫌だな。そんなのしなくていいよ、いろんな管つけられるのも、口から食べれなくなるのも嫌だよ」と即答した。母はなんでそんなこと聞くのと言わんばかりの表情で「私は病院がいいわ」と。母はケガや病気になったら、治療すればいいという前向きな気持ちで病院なのだろうか…。やはり生命力に満ち溢れている。

 

 

 

父に伝えたのは、経管栄養を一度行うと、二度と口から食べられないと思うかもしれないが、たとえ胃ろうを装着しても、そのあと口から食べることもできる。延命措置に関しても、そう決めたから、その言葉通りに行動しなければいけないわけではない。全く違うものに変わってもいい。と伝えると父の表情も変わった。

 

このように話しながら、その時が来たらどうしたいのかを自分自身で探り、それを繰り返しイメージする。この「人生会議」を食事などの何気ない時間に素直にその時の気持ちを言葉にできるように、何度か繰り返していこうと思う。北原家第1回「人生会議」はまあまあ成功かな。

 

 

 

女優・介護士 北原佐和子氏

1964年3月19日埼玉生まれ。
1982年歌手としてデビュー。その後、映画・ドラマ・舞台を中心に活動。その傍ら、介護に興味を持ち、2005年にヘルパー2級資格を取得、福祉現場を12年余り経験。14年に介護福祉士、16年にはケアマネジャー取得。「いのちと心の朗読会」を小中学校や病院などで開催している。著書に「女優が実践した魔法の声掛け」

 

 

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