社会福祉法人陶都会(岐阜県土岐市)は、「ドリーム陶都」(同)で「高齢者が主役の福祉農園」をコンセプトに、農福連携事業を実施している。施設敷地内の2000㎡の土地を活用し、特別養護老人ホーム、ショートステイ、ケアハウスの利用者を交え、生産から加工、納品まで行っている。

 

田中良和事務局長

 

車椅子でも参加可能

この事業は田中良和事務局長が「利用者が外に出る機会をつくりたい」と菜園を始めたことがきっかけ。2018年に農林水産省の「農山漁村振興交付金」を受け「高齢者が主役の福祉農園」を本格的に開始した。

 

敷地内の空き地を活用し、圃場・ビニールハウスを整備。車椅子も通れるよう道幅を広くし、屈まず作業ができるよう、ビニールハウス内の苗を植える高さや、飼育する鶏の餌を置く位置に配慮したつくりにした。初期投資は1500万円、うち700万円を交付金で補ったという。

 

多くの利用者が参加でき、農作業に不慣れな職員も携われるよう、詳細なマニュアルを作成。作業レベルを3段階に分け、身体状況に応じ参加できるよう写真や文章でまとめた。期待される機能回復効果も記載し、ケアプランに反映している。

 

車椅子の人はビニールハウスのイチゴに水を与える、屋外に行けない人は屋内で豆の選別、ジャムを作る加工作業、納品作業をするなど、できる範囲で参加する。「利用者にとって、作物を育てることが明確な目標・生きがいになる」と田中事務局長。

ビニールハウスの様子。「作業をすると、利用者は見違えるほどいきいきする」と田中事務局長

 

 

収穫した作物や商品は、地域のイベントで販売する、ふるさと納税返礼品として出品するなどして活用。利用者の食事で提供することも多い。
「昨年の売上は100万ほど。得た利益で、施設内でマグロの解体ショーも行った。普段よりグレードアップした食事を提供することで利用者に還元している」と田中事務局長。

 

「農作業は楽しい」だけで終わらせないため、昨年から国立長寿医療研究センター協力のもと、農作業による機能改善・介護予防効果の検証を行っている。
「『農』を中心に高齢者、障害者、子どもなど多世代が交流する場にしていきたい。活動の輪をさらに広げていく予定」と田中事務局長は語った。

 

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