医療を身近に

医療法人社団オレンジ(福井県福井市)は昨年4月、長野県軽井沢町に在宅診療所など4つの機能を持つ複合施設「ほっちのロッヂ」を開設した。住民の居場所づくりやイベントの開催などにより、病気になる前から住民と医師らが交流できる施設となっている。

 

ほっちのロッヂは多世代の集う交流お場となっている

 

 

ほっちのロッヂは、里山の林の中に開設された施設。在宅療養支援診療所のほか、訪問看護ステーション、共生型デイサービス、病児保育の機能を持つ。軽井沢町の住民に対し、在宅医療を提供するほか、各種の催しで健康づくりのサポートも行う。

 

建物はログハウス風の外観。中央部に広めのキッチンを設け、リビングを配置した。ここに利用者が集まり食卓を囲む。建物内は、視線が遮られる小さな「コーナー」がいくつかあり、これにより、プライバシーが保たれ、かつ閉じ籠りの状態にならない場所となっている。

 

外観はログハウス風

 

決まったスケジュールなどは特になく、デイの利用者などはそれぞれ思い思いに時間を過ごすという。地域の子どもたちがやってくることも多い。特に、心理的な不安などから、学校へ通えなくなった子どもには、家、学校以外の第3の居場所にもなっている。

 

地域向けのイベントも開催。今年からは「ほっちのロッヂの映画部」を開始し、地域住民対象に映画上映会も実施している。また、アーティストが最大3ヵ月間宿泊し、その間に作品を作り上げるというプロジェクトも実施している。

 

 

紅谷浩之理事長は施設の特徴について次のように話す。「ここには、『好きなこと』『やりたいこと』をしたい人が集まることができます。そのような場所に医師などが居ることで、『病気になったから病院に行く』といった医療と人々の関係性を変えることができます。病気を防ぐことや、早期対処がしやすくなり、住民の健康づくりに貢献します」

 

 

開設のきっかけとなったのは、2017年の夏に軽井沢で開催していたイベントで、軽井沢風越学園という小中一貫校の開校が計画されていることを知ったことだという。

 

「子どもの自ら学ぶ力を尊重した教育という方針に共感し、医療・福祉の側から協力したいと思いました」(紅谷理事長)。その際、学園の理事長から、福祉環境設計士で施設のプロデュースを手掛けたReDo社の藤岡聡子社長を紹介されたことで、この施設ができたという。

 

現在、ほっちのロッヂの医師は、軽井沢風越学園の学校医としても活動している。健康診断や講話などを通じ、健康づくりの教育も行っている。
健康診断では、成長の記録として自分の手形を取る、心音を自分で聞いてみるなど、自分の体のことを知る機会を提供する。体のことをより深く学ぶことで、自分の体調をセルフコントロールする力を早い段階で身に付けることを目的としている。

 

「ほっちのロッヂの活動により、子ども達が大切にされながら成長できる地域を実現したいと思います。それを実現すれば、おのずと高齢者や障害者にとってもやさしい街になるでしょう」(紅谷理事長)。

 

 

 

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