独立行政法人福祉医療機構(東京都港区/以下WAM)は10月20日、「2020年度病院・診療所の経営状況(速報値)」を公表した。全体として医業収益対医業利益率(以下・医業利益率)は大きく低下しており、一般病院では△0.9%と、全体平均として初のマイナス値となる見通しが示された。

 

 

貸付先の財務諸表を用いた調査によると、医業利益率は一般病院(1014院)△0.9%のほか、精神科病院(273院)で0.5%、療養型病院(474院)で2.6%と、過去最低水準となった。

 

経常収益対経常利益率( 以下・経常利益率)については、一般病院と精神科病院で前年よりわずかに上昇したが、療養型病院では1.9ポイント低下となった。これについては順次創設・拡充された新型コロナウイルス感染症に関連する各種補助金による収益補填効果は一定程度認められ、「経常収支ベースでは前年度並みの水準になる」と見ている。

しかしながら経常赤字病院の割合は依然高く、療養型病院では前年より12.5ポイント拡大するなど、「厳しい経営状況にある病院は少なくない」とした。

 

一般病院のうち、コロナ患者を受け入れた258院についてみると、補助金収益を除く20年度の医業利益率は△2.0%、経常利益率は△1.5%といずれも前年度から3ポイント前後の大幅な低下となった。これらの病院では病床利用率が3.6ポイント低下、外来患者数も1割減。1床あたりの年間医業収益(補助金収益を除く)は前年より68万7000円の減収(2.9%)だった。さらに経常赤字となる病院は、19年度が43.4%と従前から高水準だったところ、20年度では63.6%と拡大した。

 

一方、補助金収益を含めた決算ベースでは、経常利益率や経常赤字割合の水準は前年19年度より上向いた。
「各種補助金によってコロナ受入れ病院の運営継続に必要な資金はおおむね確保された」と評しつつも、先行きが不透明な中、今後も「一定の財政支援が必要」と指摘した。

 

コロナ患者受け入れ未実施の2 6 9 院では、病床利用率の低下や外来患者数の減少など、受け入れ病院と同様の傾向が確認された。

 

注)医業利益率については一部の病院で補助金収益が含まれている場合がある 出所:独立行政法人福祉医療機構 2020年度病院・診療所の経営状況(速報)

 

 

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