関西一円で介護付有料老人ホームを展開するライフケア・ビジョン(大阪市)。同社を中心とするライフケア・グループは、元気高齢者を対象としたサービスの強化を進めている。その一環で今年、グループ内に調剤薬局事業を行う「ライフケア・ファーマシー」と、高齢者の生きがいづくりを目的としたNPO法人「WAIKI」を設立した。

 

ライフケア・ビジョン 大前直樹副社長

 

 

ライフケア・グループでは昨年末、元気高齢者向けの賃貸マンション「シニアアップデートマンションLifeCareSuita」を開設。最新の見守り機器を導入し、プライバシーを確保しつつ、安心して暮らせる環境としている。同物件を活用した地域住民向けの見守りサービスの提供も予定するなど、元気高齢者へのサービス開発を進めている。
今年9月に第1店舗目の保険薬局「ハッピー薬局吹田店」を開設したライフケア・ファーマシーには、現在3名の薬剤師が所属する。自動薬剤梱包機の導入などにより業務効率化を図っている。

 

 

「人対人」を重視

新設された「ハッピー薬局吹田店」

 

薬局はグループがドミナント展開する関西圏を中心に店舗数を増やし、4~5店舗ほどの体制となる見込み。来年夏には堺市に新設されたクリニックモール内に店舗を開設予定だ。身近なかかりつけ薬局として、薬、健康についての相談や、地域向けのイベントなど「人対人」のサービスに力を入れ、住民の健康づくりも行う。
ライフケア・ビジョンの大前直樹副社長は薬局の新設について、「現在、高齢者のうち介護認定人口は約20%です。高齢者の多くは介護保険サービスを利用していません。また、縮小が予想される介護保険収入への依存見直しも求められる今、元気高齢者を含めたより多くの人に必要なサービスを提供していきたい、という考えがありました」と話す。

 

 

NPO法人設立 社会参加の場に

NPO法人WAIKI設立もその一環だ。同法人は、シニアマンション内に設けられた多目的スペース「WAIKI」を拠点に各種イベントを実施。地域住民のコミュニティ形成などを行う。
コロナ禍において、高齢者にとって、社会・地域との交流が健康の維持に特に重要であることが改めて明かとなった。それを踏まえ、「食べる、動く、人とつながる」という点から、高齢者の社会参加による生きがいづくり、そこからADLの維持という「価値」を提供することが設立の狙いだ。頭山祥子経営企画室長は「NPOが主体となることで本業にとらわれない、幅広い活動が実施できます」と話す。

 

WAIKIでは、生きがいを創出するイベントを実施する

 

多目的スペースはデザイン性の高さと、大きなレンタルキッチンが特徴。入居者に限らず、誰でも参加可能な陶芸教室や料理教室などのイベントの実施、近隣の飲食店による出店などで利用される。また、ライフケア・ファーマシーが今後、健康体操の場として使用するなど、入居者と地域住民をつなぐ接点としての役目を持っている。

 

 

ヤングケアラーを 食事・相談で支援

WAIKIでは11月より、元気高齢者の就労意欲、経験、知識を活かす場として、多目的スペースで「子ども食堂 わいわいワイキ食堂」を開催している。予約制、料金は中学生以下100円、高校生以上500円の低価格で夕食を提供する。子どもの利用に際しては特段の条件はない。家族連れでの食事も可能だ。

元気高齢者はここでボランティアスタッフとして活動するだけでなく、人生経験を活かし子どもの相談相手にもなる。そこから、ヤングケアラーへの支援の場としても活用していく方針だ。「精神的な支えや、必要な機関につなぐだけでなく、実践的な介助技術を伝えることもできます。さらに、これまでの経験が生かせる職業があることを伝える、介護業界につながる場としても期待しています」(大前副社長)

 

 

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