「職員の処遇改善、喫緊の課題」

 

日本経済新聞の12月21日の1面トップ記事「1人で4人介護 可能に」が業界内で大きな話題となっている。記事では「20日の規制改革推進会議で内閣府が改革を提起した。現行基準を見直し、(介護者)1人で介護施設の入所者4人に対応できるようにする案を軸に調整する」とした。

さらにこれを受け「古い規制を見直して生産性を向上することで、費用の膨張を抑える重要性は高まっている」と結び、既定路線かのごとくに報じている。この記事について、内閣府規制改革推進室の木尾修文参事官に緊急インタビューを行った。

内閣府規制改革推進室 参事官 木尾修文氏

 

 

Q1 規制改革推進会議において人員配置基準で4:1の議論があったと聞いているがどのような審議が行われたのか。

A1 12月20日の規制改革推進会議医療・介護ワーキング・グループで、介護分野の生産性改善の議論が取り上げられた。
北九州市、社会福祉法人若竹大寿会、SOMPOケア社から、品質向上と職員の負担軽減を図りつつ生産性改善を進める先進的な取組みの発表を行っていただいた。内閣府として、これらのご提案については今後、本格的に、議論を深めていく必要があると考えており、現時点で、特定の立場を決めているものではないものの、将来の介護人材不足が見込まれる中(2040年に69万人の介護職員不足)、介護制度をしっかり維持していくためには人材不足を解消し、なおかつ、職員の処遇改善も喫緊の課題であることから、特定施設の人員配置基準や特養のユニット定員の見直しといったご提案等について、スピード感をもって検討を進めていく必要があると考えている。

 

 

 

Q2 人員配置基準見直しの対象となる施設の範囲を教えて欲しい。

A2 事業者のご提案の対象は特定施設のうちの先進的な取組を行っている事業者であり、特定施設全般に適用することは想定していないものと承知している。また、特養は想定されていない。
今後、実証事業を立ち上げて、公募に応じた施設より効果検証を行うとの内容であり、あくまで先進的事業者に対する特例的対応(4:1の人員配置でも違法としないという意味での特例)であると承知している。なお、一般の特定施設に一律4:1を適用するものではなく、介護職員の方々の労働強化につながるようなことは毛頭想定していない。

 

 

 

Q3 人員配置基準を緩和すると報酬金額が引き下げられるのではないか。

A3 職員の処遇改善を目的とした規制緩和であり、ワーキングでも報酬の引き下げにつながらない方向で検討を進めることが確認された。

 

 

 

Q4 人員配置基準を4:1に緩和すると職員の過剰労働や離職につながるのではないか。

A4 ITやデジタルを活用して、職員の負担軽減にもつながる取組みが報告された。
早急に実証事業を立上げて、効果検証を実施した上で規制の見直しを検討する方向で提言が行われている。
効果検証では、職員の負担軽減以外にも介護の質や生産性への影響についても調査が実施されることが確認されている。なお、既に先進的な取組みを実施している施設では、介護職員の離職率は、横ばいないし低下していると聞いている。このような施設について、職員を必要以上に雇用するよりは、その資金を既存の職員の報酬引き上げに用いることが合理的であるとの考え方も検討に値するのではないか。

 

 

 

Q5 テクノロジーやデータで生産性を改善することができるのか。

A5 先進的な取組みを発表した会社では、サービス品質を落とさず、人員配置の削減が可能であることが実証されていると承知している。
取組みの効果や影響については、今後の実証事業でしっかり検証され、公表される必要があるのではないか。

 

 

 

Q6 今後どのような方法、スピード感で検討が進むのか。

A6 今後、所管の厚労省と規制改革推進会議で議論を深めていく。なお、医療・介護ワーキング・グループの委員から厚労省に対して、次回の介護報酬改定(2024年4月)を待つことなくスピード感をもって検討を進めるように意見が出されたことを踏まえ、具体的なスケジュールを考えていきたい。

 

 

 

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