バイキングスタイルの食事方法では、大皿に盛られた料理を皿に各自取るための、共用の箸やスプーン、トングがそれぞれの大皿近くに置いてある。しかし、コロナ禍においては、他人が素手で使った箸やスプーンを使うことは感染につながる恐れがある。

そこで利用されているのが、使い捨てのビニール手袋だ。

 

料理を取り分ける皿を手にする前に、箱ティッシュ形式になっているビニール手袋を箱からつまみ出し、利き手にはめる。その後、自分用の皿を利き手ではない手に持ち、大皿に盛られている料理を選び、ビニール手袋をはめた手で、共用の箸やスプーン、トングで取り分ける。

 

こうすれば、共用の箸やスプーンからの感染は防ぐことができるが、一連の過程で課題が2つある。それは、ビニールの手袋を箱から取り出す場面である。

①箱から取り出し、利き手にはめる段階で、利き手でない手を箱に添えて指の力を使うこと。

②くっついているビニール手袋の口を開いて手を入れる空間を作ること

である。スーパーで買った品物を買い物袋やビニール袋に入れる時、くっついているビニールをずらして2つに分ける時の難しさと同じである。

この困難は、手に油分が少なくなった高齢者にとっては、やっかいな課題である。

 

緊急事態宣言が解除され、先日の出張で泊まったホテル、朝食はバイキング。取り分け皿が並ぶそばに、高さ3センチでA4サイズほどの機器が置いてあった。

空気が吹き込まれ、簡単に口が開く

 

手をかざす図記号に従うと、モーター音とともに風がおこり、今まで平らだったビニール手袋に風が吹き込まれ、立体となったのである。立体となったビニール手袋には、利き手を何の苦労もなくいれることができた。

 

コロナ禍での感染予防対策は、貴重なアイデアを生み出している。

 

 

星川 安之氏(ほしかわ やすゆき)
公益財団法人共用品推進機構 専務理事
年齢の高低、障害の有無に関わらず、より多くの人が使える製品・サービスを、「共用品・共用サービス」と名付け、その普及活動を、玩具からはじめ、多くの業界並びに海外にも普及活動を行っている。著書に「共用品という思想」岩波書店 後藤芳一・星川安之共著他多数

 

 

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