一般社団法人全国介護事業者連盟(東京都千代田区)と高齢者住まい事業者団体連合会(同中央区)は、昨年12月に関係団体の会員法人を対象に実施した「人材採用関連費用(有料職業紹介等)に関するアンケート」の結果を発表した。
有効回答合計で、2020年度の中途採用費用は43億1956万円。そのうち紹介手数料は23億6701万円となった。
中途採用費の55%に
同調査は介護業界の人材不足、中期的な需給ギャップ拡大などを受け、業界団体として実態把握をするため、昨年8~9月に初めて行った。回答数は359法人で、68.5%が株式会社となった。
人材紹介会社に支払った手数料は2018年度20億円、19年度25億円、20年度24億円となり、20年度のコロナ禍の時期を除き、概ね有効求人倍率と比例していることがわかったとしている。
中途採用広告費用の売上高比率は、紹介手数料を含まない場合が0.31%、紹介手数料を含む場合が0.68%となった。都市圏の住宅系施設では突出して比率が高く、紹介手数料を含まない場合が0.93%、紹介手数料を含む場合が1.63%となった。
紹介会社経由の中途採用人数は、「1人以上5人以下」が54.6%と最も高い。
介護職未経験者の採用人数は、「0人」が56.8%と最も高く、紹介会社を利用する場合は、介護職経験者を求める傾向が強い。新卒採用の実施率は34.5%で、大企業が中心となった。大企業の18.9%、中小企業の73.5%が新卒採用を実施していない。
人材紹介会社に対する満足度は、サポート範囲と相関性が見られる。
サポート範囲が「求職者情報の提供」までの場合は、「不満」と「やや不満」を合わせた割合が45.9%となった。一方で、「面接調整の実施」、「面接の同行及び同席(オンライン含む)」までの場合は、「満足」と「やや満足」を合わせた割合が37.8%となった。
「求職者情報の提供」については、求職者の情報をFAXで送るだけの対応をしている紹介会社が多いという。
紹介会社への総合的な満足度は27.0%に止まった。背景には、「紹介者の人物像を把握していない」、「フォローなどの連絡がない」、「求人者の求人内容の理解不足」、「紹介料の高さ」などの不満があるとの結果が得られた。