社会福祉法人三芳町社会福祉協議会(埼玉県入間郡三芳町)が運営する認知症対応型の「デイサービスセンターけやきの家」(同)。若年性認知症の人を対象に、デイの利用時に地域に貢献する仕事をしてもらう取り組みをしている。
2016〜17年に補助事業である「埼玉県若年性認知症デイサービス創業支援事業」のモデル施設となり、現在も活動を続ける。
地域と関わる役割提供
現在、50〜60代の若年性認知症の利用者6名が水・金曜日に参加。仕事の内容は、デイで実施する子ども食堂の食材の買い物や調理、農家の野菜販売、民家の庭掃除、お菓子の梱包作業など。施設内で活動を完結させず、地域の人と関わりが生じる仕事内容だ。

子ども達のために調理する様子
「職員でなく、利用者が主導して活動することを意識している」と内城一人管理者は話す。子ども食堂の場合では、メニューや食材は利用者が決め、買い物や調理の工程を進める。これらの仕事によって、1人平均月額8000円ほどの報酬を得るという。
「〝デイサービスに通う〞感覚でなく、仕事をするスタッフとして来所してもらう。誰かの役に立てる場所があることが大事」(内城管理者)。

デイサービスセンターけやきの
家内城一人管理者
地域住民向けに若年性認知症についての講演会を定期的に開催。利用者が自身の活動を語る、バンド演奏を披露するなど、「まだまだできることはたくさんある」と伝えている。