音楽療法が特徴のデイサービスを都内で10事業所運営するひばりケア(東京都中野区)。

今年からSDGsに沿って法人の目標を再設定。正社員の週4日勤務や、利用者への在宅向けセンサーの提供など、新たな取り組みを行う。

森田肇社長に話を聞いた

 

森田肇社長

 

在宅生活のデータ活用

 

――SDGsに沿ってどのような目標を設定したか
森田 2030年に向け、「誰もが安心して心豊かに暮らせるかけがえのない社会」を目指し、社内のペーパーレス化や、電気・水道・ガソリンなどエネルギーの利用10%カットなど、複数の目標を設定した。SDGsは世界共通の目標であり、職員にもわかりやすい。改めてSDGsに沿って自分たちの取り組みを明文化することで、職員に「価値のある仕事」を行っている、と気づいてもらいたいと考えた。

 

 

――特に重視する目標は
森田 1つは、「離職率を0%」にすること。SDGsの目標のうち「働きがいも経済成長も」などに当たる。職員は40〜50代の女性が多い。長く働き続けられるよう働き方の選択肢を増やすべく、昨年12月から正社員の週4日勤務制度を取り入れ始めた。

 

 

――どのように人員を配置するか
森田 1施設あたりの配属人数を1.5倍に増やし、シフトを組む。職員は週5日勤務か4日勤務かを自由に選択可能。給与は週に1日少ない分減るが、今までデイで働いたことがない人にも興味を持ってもらえると考えている。

 

 

――ほかに注力する目標は
森田 「独居高齢者のヒーローになる」という目標を掲げた。SDGsのうち「すべての人に健康と福祉を」などの目標に当たる。デイ利用者の約半分が独居高齢者や高齢者のみの世帯。デイに通う時間だけでなく自宅で過ごす時間にもサポートの幅を広げていく。

 

 

――具体的には
森田 1月から在宅用の見守りセンサーのレンタルを開始している。東京ガス(東京都港区)とエコナビスタ(同千代田区)が開発した「ライフリズムナビ+HOME」を希望者に提供。センサーによる部屋の温湿度や睡眠データ、血圧計や体温計、パルスオキシメーターの計測データを、家族やデイ職員、ケアマネがスマホでリアルタイムに見ることができる。初期費用は1万円、月額5980円( 3 月まで割引実施)。

 

 

利用者宅にセンサーを設置する様子

 

 

――デイではデータをどのように活用するか

森田 毎日の生活サイクルをチェックできる。睡眠状況によりリハビリの程度を調節する、血圧の数値を確認して入浴の可否判断をするなどデータを踏まえたデイでの過ごし方を考える。異常値の通知があった場合に対応できるよう、自社で対応策を検討している。
今後も在宅生活の不安を解消し、利用者をワンストップでサポートできるよう取り組みを進めていきたい。

 

 

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