医療法人元気会(埼玉県所沢市)は、内科、整形外科、神経内科など多くの専門科目があり、365日無休の外来診療と在宅医療などを展開するわかさクリニック(以下・本院)などを運営。
2月7日、同法人としては都内初となるクリニック「わかさクリニック石神井公園」(東京都練馬区)をオープンした。クリニック間の連携や新型コロナウイルスの対策などについて、間嶋崇理事長に話を聞いた。

医療法人元気会 間嶋崇理事長
──昨年の在宅医療の患者数は。
間嶋 本院は、所沢市の西エリア、入間市、飯能市、青梅市、羽村市などのエリアを担当。昨年、担当した患者は約900名、看取り件数278名。
また、昨年開設したわかさクリニック所沢は、所沢市の東エリア、清瀬市、東村山市、朝霞市、新座市などを担当している。患者数は約500名、看取り件数30名だった。
──わかさクリニック石神井公園の開設について。
間嶋 わかさクリニック所沢を開設した時に、近隣の西東京市、練馬区などの地域住民から訪問診療の要望が多くあった。
わかさクリニック石神井公園は、練馬区、武蔵野市、西東京市を中心に担当する。現在は医師1名、曜日ごとに非常勤医師1名、看護師2名の体制だ。職員は本院で勤務していたメンバーのため、当法人の理念を共有しており連携がとりやすい。
在宅医療に関わる他に、かかりつけ医として地域住民と外来診療から関りを持つことも大切だと思い、外来診療を行っている。
──美容皮膚科も設けている。
間嶋 院長の松窪耕玄氏が形成外科の専門医で、訪問診療以外にも以前から美容皮膚科の経験も豊富であったため、脱毛、しみ、しわなどに関する美容皮膚科も提供している。
本院と同様、誰でも経験できるよう、価格を抑えることで、美容室感覚で行けるような美容皮膚科をコンセプトにしている。

朝礼はZoomを活用してグループ全体で実施
──グループのシナジーについて。
間嶋 毎日の朝礼はZoomを利用して全事業所が参加している。朝礼で情報共有することにより、グループ全体で一体感を生み出すことができる。また、在宅だと整形の部分が弱くなりがちだが、グループで連携することにより、在宅で撮影したレントゲンを本院の医師に診てもらい、処置をすることができる。
本院は多くの専門科目をカバーしているため、研修が必要な際は、本院で研修を行える。在宅だけではなく、外来・検査を担当したい医師もいる。その場合は、希望に応じた専門科目でも働けるように調整している。

本院で研修が受けられる
コロナ対策も注力
──新型コロナウイルス対策については。
間嶋 新型コロナウイルス対策として、「ワクチン接種」「埼玉県PCR検査等無料化事業」「高齢者施設・学校などから緊急でのPCR検査の依頼」「発熱外来」「自宅療養者への訪問」を行っている。
ワクチン接種は昨年から、本院に隣接する地域住民の集いの場「オレンジタウン」を接種会場としている。1月から3回目の接種を開始し、1日600名程度に接種。
埼玉県PCR検査等無料化事業は、本院とわかさクリニック所沢で行っている。1日当たり、本院で約200名、わかさクリニック所沢で約50名を検査。
高齢者施設に対するPCR検査は、コロナの陽性者が出たときに施設を訪問して濃厚接触者に対し、PCR検査を実施。医師1名と看護師1名などによる2人1組のチームが、1チーム当たり30名程度を担当している。当日に検査結果が出るPCR検査の装置を全クリニックに導入している。
──今後について。
間嶋 所沢市に居宅介護支援事業所を開設し、所沢市で医療・介護を垂直展開していきたい。また、来年度に、3クリニックの開設も予定している。グループ内の連携を強化することで、お互いが担当できる距離の範囲で協力体制を構築したい。
緊急に往診できないときも他クリニックが対応したり、専門医が行く必要があるときなどにも対応できるようにして、医療の質を担保していきたい。