内閣府規制改革推進会議「医療・介護ワーキング・グループ」が介護現場の「人員配置基準」議論について取りまとめを行った。

 

同ワーキングGで介護付き有料老人ホーム事業者から、ビッグデータ解析やセンサー類の活用により、現行法上の人員配置基準より少ない配置職員数で介護サービスの提供を実現できる見通しが示された。一方、同ワーキングGの委員、関係団体から現場の負担増につながらないか慎重な意見も出ている。

 

厚生労働省からは4月より実証事業を行う方針が明らかにされた。

 

 

職員の負担増に懸念も 厚労省、4月から実証事業

 

同介護付き有料老人ホーム事業者による特定施設の人員配置基準の柔軟化に関する提案では、利用者それぞれのケアの計画と実績の差異や体調の変調を踏まえたケアニーズの予測に関するビッグデータ解析やセンサー類の最大活用により、31の人員配置基準よりも少ない配置職員数で介護サービスの提供を実現できると見通した。

 

「人員配置基準の柔軟化を特例的に許容することの妥当性を判断するため、国の関与の下での実証事業を行い、問題がなければ、早期の制度化を希望する」、「特例の制度化に当たっては、介護職員の処遇改善を図りたい」といった提案に関して、厚労省は4月頃より実証事業を行う方針を明らかにした。

 

 

介護施設の人員配置基準の柔軟化に際して、介護人材不足への対応を検討するに当たり、「介護の質の維持」と「介護職員の負担軽減・処遇改善」が最も重要な観点。ビッグデータ解析、センサーなどのICT技術を最大限活用することが条件だ。

 

厚生労働省における実証を通じて、実際に介護の質が維持されること、介護職員の負担増につながらないことが客観的に検証される必要がある。その上で、人員配置基準の柔軟化の可否について、速やかに社会保障審議会介護給付費分科会において議論を行い、判断していく。

一律の変更ではなく、先進的な取組を行う事業者に対する特例的な柔軟化であり、規制改革推進会議も必要に応じて、議論のフォローアップを行う。

 

 

厚労省で実施する実証では、介護の質の観点から、利用者の状態変化、日中のL I F E( 科学的介護情報システム)の項目を参考にした評価を要請。介護職員の身体的負担や心理的負担等の変化についても検証を求める。

 

委員、専門委員からは、「デジタルテクノロジーの活用により現場の負担が軽減され、介護の質が上がる可能性もある」、「予期的な対処ができる点が素晴らしく、他の事業者もトライする価値がある」、「成功事例もでてきており、人員配置を基準化せず、できるところは少ない人材でやってもいいという選択はあるべき」といった積極的な意見が出た。

 

一方「介護の質の低下や職員負担増が生じないことを実証する必要がある」、「現場の不安をきっちりと払拭することが絶対条件」、「特例を適用した事業者について、配置人員が少ないことなどを理由として介護報酬が減額される場合、本特例を活用し処遇改善を図るインセンティブが減殺されることとなるため、適切な措置を講じる必要がある」といった慎重な意見も多くみられた。

 

 

全国老人福祉施設協議会からは、「介護は高度な対人サービス。モノづくりで培われた生産性向上ノウハウはそのまま当てはまらない」、「ケアの質の低下、職場環境の悪化につながる可能性が高く、生産性向上は単純な人減らしを目的としたものであってはならない」、「特殊な条件のもとで成立する基準を、介護施設一般に適用すべきではない」などの問題を提起。

 

日本介護福祉士会は、「新たな業務負荷に結びついていないか」、「新たなリスク管理の必要性を生み出していないか」等の問題を指摘した。

 

 

 

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【人員配置基準の柔軟化に関する考え方】

 

 

規制改革推進会議が示した主な留意点

 

○介護施設は、運営事業者や施設の規模、利用者の要介護度等によって必要人員数は様々であるため、現行の人員配置基準を施設の種類等によらず一律に変更することは現実的ではない。このため、先進的な取組を行う事業者について、人員配置基準の特例を認め、当該取組を順次、日本全国へ展開していくことが妥当なアプローチである。

 

○今回の事業者提案は、特定施設のうちの有料老人ホームを対象とするものであるが、先進的な取組は特別養護老人ホームなど他種の施設運営者においても広く見られることから、特定施設以外の介護施設についても、適用可能である必要がある。

 

○特例への「挑戦」インセンティブが減殺され、介護職員の処遇改善が図られないこととならないよう、、特例が認められた事業者についての介護報酬の切下げを回避する必要がある。

 

 

 

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