SOMPOケア(東京都品川区)は自立から要介護者まで、60歳以上を主な対象とした保険外の新サービスを開始する。3月1日、東京都世田谷区にサービス提供拠点を開設した。

介護保険だけでは満たせない高齢者のニーズに社内外のリソースを使って対応していく。

 

 

 

 

新サービスの名称は「いきガイド」。

三軒茶屋駅から徒歩1分の場所に、相談窓口店舗「いきガイドステーション」をオープンした。交通量も多く、飲食店やコンビニなどが並ぶ幹線道路沿いの1階路面店。店舗デザインは良品計画が協力し、木を基調とした立ち寄りやすい雰囲気とした。

 

店舗デザインは良品計画が協力

 

 

介護現場で管理職などを経験した3 名を「ライフガイド」と呼ぶコンシェルジュとして配置。高齢者やその家族などを対象に日々の困りごとから生きがい作りまであらゆる相談に応じる。

 

詳細をヒアリングし、それぞれにあったサービスのプランを作成。提供するサービスは、「健康」「食事」「愉しみ」「見守り」「つながり」の5カテゴリーから約60種類を用意。

 

 

ライフガイド自らサービスを提供、さらにはSOMPOケアの介護看護スタッフ、管理栄養士、外部の専門家らとも連携しニーズに応えていく。プレオープン時には利用者の「初詣に行きたい」という依頼にライフガイドが同行。利用者からの評価は高く、次回は登山の同行を希望されたのだという。

 

 

3名のライフガイド

 

 

「いきガイド」の基本料金は30分で3300円(税込)。月に3時間、9時間、15時間などのパックプランも用意している。外出同行などの交通費、食事代などは別途実費が必要。

 

いきガイドステーションには居宅介護支援事業所が併設されており、ビルの10階には訪問介護・看護事業所なども入居。自立のうちから「いきガイド」を利用することで、いずれ介護保険サービスを利用する際もシームレスにサービスを受けることができる。

 

 

事業の難しさと職員のやりがい

 

介護保険の在宅介護サービスを利用する高齢者や家族からは、保険外の自費でもそのほかの支援を受けたいという声は少なくない。しかし、いわゆる混合介護に該当し、サービス提供側がその非効率な制度に二の足を踏む現状がある。

 

また、「いきガイド」を始める前のSOMPOケアによる事前調査では、「外出支援」「仲間作り」などを求める高齢者が多かったという。生きがいや趣味を通じた地域の繋がりの創出などは、事業性の低さから継続してサービスを提供できる民間事業者はいない。

 

 

一方で、介護保険サービスで満たせない高齢者の希望に応えたいと考える介護スタッフは少なくない。ライフガイドに任命された森田亜希恵さんも介護現場で実績を積んできた1人だが、「非常にやりがいを感じている。将来的にはライフガイドを介護スタッフが目指すポジションにしたい」と意気込む。

 

 

「規制緩和を待っていてはニーズを満たせない。まずはやってみて、アジャイルにサービス改革を実行していきたい」(遠藤健社長)

 

同店舗での成果を見ながら拡大を検討する。

 

 

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