シルバーウッド(千葉県浦安市)は、2月19日に「介護の生理学研究会」をオンラインで開催した。

応募から選出された介護職がチームとなり、「口腔ケア」「眼のケア」などのテーマで生理学の視点を持って研究。それに基づいた介護の実践を発表した。介護職や学生など約800名が視聴し、介護の仕事の専門性・魅力を再認識する機会となった。

 

「介護の科学」を考える

この研究会は令和3年度厚生労働省補助事業の「介護のしごと魅力発信等事業(介護技能向上促進事業)」の一環で行われたもの。

 

同社が事前に開催した「介護の生理学入門勉強会」などに参加した、複数の法人の介護職からなる6チームが研究内容を発表。社会福祉法人福祉楽団の飯田大輔理事長や医療法人社団悠翔会の佐々木淳理事長、高齢者社会をよくする女性の会の石田路子理事、一般社団法人fairの松岡宗嗣代表理事など7名の審査員が講評した。

 

発表者の集合写真

 

 

会の冒頭で、飯田理事長は「『その人らしい』といった情緒的な言葉で判断される介護は、誤った方向に導かれることが多い。良いケアのためには生理学の視点で人間一般を理解することが不可欠」と話した。

 

「陰部洗浄」について発表したチームは、性器の構造や役割を踏まえた洗浄方法や、羞恥心への配慮・副交感神経の機能を踏まえた排泄しやすい環境づくりなどを紹介。

 

審査員のナイチンゲール看護研究所の金井一薫所長は、「陰部洗浄は日常的に行われ、特に神経を尖らせて行うケア。正しい知識習得や教育の必要性を再認識できた内容であった」と評価した。

 

 

発表後にはタレントの華原朋美さんがゲスト出演。介護現場の仕事を手伝った経験を踏まえ、介護職の魅力と激励のメッセージを視聴者に伝えた。

 

 

後半は、シルバーウッドの下河原忠道社長をコーディネーターとし、審査員によるトークセッションを実施。

 

SOMPOケアの菊井徹也取締役執行役員は「今回の発表者のように、ある課題に対して自ら調べ、実践する人材を増やすことが重要」と話した。

 

慶應義塾大学大学院堀田聰子教授は「会を通じ、生理学は面白いと感じた人が多いのではないか。学ぶ意欲やケアの考えを仲間につぶやくところから始めてみてほしい」と語った。

 

 

 

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう