太陽光発電事業などを手掛けるサン(川崎市)のグループ会社であり、男性向けのデイサービスを関東・関西で18店舗運営する我喜大笑(東京都千代田区)。1年ほど前から、求人広告の内容を見直したことで応募者数が4倍に増加した。

ミスマッチを防ぐ選考を行い、人材定着率約40%から約90%に改善している。

 

 

体験入社、ミスマッチ防止

 

新規店舗開設に先立ち人材を新たに確保するため、採用担当の森川拓氏は求人広告の訴求文を見直した。

 

採用担当森川拓氏

 

 

デイでは麻雀・将棋など男性が好む娯楽コンテンツを提供しているため、職員がレクリエーションを考案する必要がない点を求人広告で強調。また、働きやすい環境を共に築ける人しか採用しないことを謳っており、〝働きやすいハラスメント採用〟というインパクトのあるキャッチコピーを打ち出して求職者の興味・関心を引く。

 

「人柄とゆっくりなスピードで会話ができ、笑顔が素敵な方のみ採用する」と求人ページ内で言い切っている。それらの結果、広告のPV数が上昇。今年度の応募者は正社員・パート合わせて900名で、そのうち140名ほどを採用したという。

 

 

採用コストも削減

 

求人方法は、以前の広告掲載型から成果報酬型に変更したほか、ハローワークからの紹介やSNS活用などにより、採用単価が約30万円から4~5万円に削減できた。

ミスマッチ採用を防ぐため、書類選考後の面接時には必ず施設を案内。また選考の段階で、希望者には「ちょこっと入社」と称して半日から1日ボランティアを通じて、職場体験をしてもらう。

 

 

デイ施設内は、職員が働きたくなるようスタイリッシュ

 

 

「ありのままの姿を求職者に見せることは、この施設で働けるか否かを判断してもらうチャンス。きちんとした採用を行うことで、会社の資産となる人材を確保できる」と森川氏。

 

面接時には、入社後にスタッフや利用者と良好な関係を築けるよう、「仕事で苦労したエピソード」や「同僚や後輩にどう思われていたか」などの質問を深く掘り下げて聞くことで、求職者の人間関係や雰囲気、接客マナーを評価する。
最近は美容院やナイトワークなど接客力の高いサービス業出身者からの応募が増加。採用するケースも増えており、今後はそのような業界出身者に向けた求人広告も出す予定。

 

美容業界から転職した職員

 

 

「長く働き続けられるよう、職員には日々『100%で頑張りすぎず、70%で仕事をしよう』と伝えている。グループ会社ではデイのほかにも訪問介護、また介護事業だけでなく結婚パーティー会場の運営や牛乳配達など多岐にわたる事業を展開している。ジョブローテーションが可能なため、介護職以外のキャリアアップの選択肢を提示することもできている」(森川氏)

 

 

 

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